ヘタリア大帝国
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TURN52 田中の苦境その一
TURN52 田中の苦境
話は前後する。東郷達がインド洋で戦っていた頃ハワイからイザベラ率いるガメリカ軍は時折日本に対して攻撃を仕掛けていた。
イザベラは戦艦や巡洋艦、それに駆逐艦といった打撃戦力を率いて部下達に告げていた。
「いいわね、当たって砕けろよ!」
「そうだね。やってやろうね」
こうした時には常にイザベラと行動を共にしていたアメリカ妹が威勢よく応える。
「ここはね」
「はい、では妹さんも」
「ああ、お握りを食ってやろうな」
「私はお握りを食べたことはあまり」
「ないんだね」
「私の好物はハンバーガーとコーラです」
つまり生粋のガメリカ人だというのだ。
「ですからお握りはあまり」
「まあ例えだからね」
「日本軍を倒せということですね」
「時々攻めないと向こうも調子に乗るからね」
「そうですね。国防長官も言っておられましたが」
「じゃあまた犬の神様と親父衆と戦おうかい」
「はい、それに」
「あの暴走族の兄ちゃんともね」
アメリカ妹はにやりと笑って田中のことも話した。
「戦おうかい」
「あの男はいつも出て来ますね」
「威勢がいいねえ。それにタフだよ」
「確かに。ですが」
イザベラはその田中のことをこう評した。
「猪ですね」
「しょっちゅう突っ込んで来るね」
「というかいつもです」
「で、そこをね」
「あの男への対応は私に任せて下さい」
イザベラは余裕さえ見せてアメリカ妹に述べる。
「今度は今度で」
「流石に同じ手に二度引っ掛かる程馬鹿じゃないけれどね」
「確かにあまり頭のいい感じではないですが」
「そこまで馬鹿だと提督にはなれないからね」
田中もそこまで無能ではない。だがそれでもだった。
「それなりの能力があるのは確かだね」
「そうです。その攻撃は確かに脅威です」
田中は攻撃力と機動力を活用して攻めてくるタイプだ。その攻撃は確かに優れているがそれと共になのだ。
「ですがそれでも」
「そうだね。単純だからね」
「また対処しjておきます」
「頼むよ。士官学校首席でガメリカ軍きっての猛将の手腕見せてもらうよ」
「お任せ下さい」
イザベラは敬礼と共にアメリカ妹に応える。そうしてだった。
やはり突出してきた田中艦隊を見て部下達に告げた。
「いいか!まずは敵の矛先をかわせ!」
「今回はそうするのですね」
「その矛先を」
「前は機雷を撒いたがな」
そうして艦隊の動きを封じて迂回しようとしたところに突撃を仕掛けて勝っている、そして今回はというのだ。
「また違うやり方で対する」
「同じ手は使わないですか」
「やはり」
「敵を侮るな」
少なくともそうした考えはないイザベラだった。
「あの田中という提督もだ」
「その攻撃は確かにですね」
「凄いものがありますね」
「正面からまともにぶつかっては勝ち目が薄い」
イザベラは田中の攻撃力の凄さを認めている。
「それ故にだ」
「その矛先を一旦かわし」
「そのうえで」
「敵が来た瞬間に陣を左右に分ける!」
具体的にはそうするというのだ。
「いいな、そうするぞ!」
「はい!」
「それでは!」
イザベラの艦隊は田中艦隊が攻めてくるのを受けた。かに見えた。
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