| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

女王神との愛

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「飲み食いも水浴びもしなかったが」
「親しくしたからですか」
「そのことがだ」
 どうにもというのだった。
「問題だ、そなたは冥界の者になってしまったぞ」
「死者と同じですか」
「死んではおらぬしこうして天界にも来られるが」
 それでもというのだ。
「住む場所はな」
「冥界ですか」
「そうなる」
 こう言うのだった。
「これからはな」
「そうなのですね」
「そしてだ」 
 エアはさらに言った。
「若しそなたが嫌と言ってもだ」
「あちらからですか」
「行って来る、そなたあの女神の性格を知っているのか」
「エレキシュガル女神の」
「あの女神は大層気が強くだ」
 そうであってというのだ。
「しかも愛情が深い」
「そうであるので」
「それでだ」
 そうした性格だからだというのだ。
「そなたの誘いを受けたならな」
「それならですか」
「かなりだ」
 こう言っていいまでにというのだ。
「惚れておる、だからな」
「私がここにいたくとも」
「冥界に入る様にな」
「言ってきますか」
「言うどころではない」
 エレキシュガルはというのだ。
「自ら攻め込んでだ」
「私を連れ戻すのですね」
「あの者から見ればそうなる」
「連れ戻しますか」
「そうまでしてだ」
 そのうえでというのだ。
「そなたを己がものにするぞ」
「そうですか、そこまで想われているのですか」
 父神の話を聞いてだった、ネルガルは笑った。そして言うのだった。
「ではです」
「それならか」
「望むところです」
「冥界に行くのか」
「そうしましょう」
「それでいいのだな」
「天界を行き来出来るのですね」
「死んだ訳ではないからな」  
 エアもそれは確かにと頷いた。
「左様だ」
「それならです」
「よいのだな」
「はい」 
 一言で答えた。
「それなら」
「そうか、まさかそなた」
「本気です」
 父神にまた一言で答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧