金木犀の許嫁
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第二十話 大阪の実家その九
「別にね」
「それを言ったら」
佐京は夜空の話を聞いて言った。
「夜空さんはどうかな」
「私?」
「うん、お父さんとお母さんに」
佐京達の実にというのだ。
「どうかな」
「あっ、そう言われると」
「こうなるね」
「今の佐京君みたいに」
自分から答えた。
「なるわ」
「そうだね」
「親といっても」
「血はつながってなくて」
「佐京君の実のだから」
「そう、それで俺も」
「そうなるのね、血というか」
夜空は考えつつ言った。
「つながりね」
「ずっと一緒に暮らしていたら」
それならというのだ。
「生まれた時から」
「絆が出来て」
「そう、それで」
その為にというのだ。
「普通に親しく出来る」
「そうなるわね」
「けれど親になる人でも」
「ずっと一緒に暮らしてなくて」
「それだけ絆が薄かったら」
それならというのだ。
「どうしても」
「態度も変わるわね」
「そう」
まさにというのだ。
「そういうこと」
「それでそれは私もなのね」
「むしろそうじゃないと」
「おかしいわね」
「そう思う、気兼ねなくとか」
「絆がないと」
「そうは出来ない」
こう言うのだった。
「やっぱり」
「そういうものね」
「それに」
佐京はさらに話した。
「俺夜空さんの親御さんが肩叩いてくれとか言ったら」
「どうするの?」
「喜んで」
それでというのだ。
「やらせてもらう」
「そうしてくれるの」
「そうさせてもらうから」
「そうなのね」
「何でも」
「何でも?」
「そうしろって言われて」
それでというのだ。
「不平に思う人もいるらしいから」
「そうなの」
「それ位普通だよね」
「そうよね」
夜空もそれはと頷いた。
「肩叩く位ね」
「腰揉めとか」
「あるわよね」
「親子なら、けれど」
「それしろって言われて」
「それで」
そうしてというのだ。
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