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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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100話 待ち受けるのはLost love【悲劇】

 
前書き
99話での変化

⚪︎仮面ライダーエグゼイド 

□ハイパームテキゲーマー

パンチ力 ∞
キック力 ∞
ジャンプ力 ∞
走力 ∞

ハイパームテキガシャットの隠しコマンドたるハイパーモードへの移行により可能となったムテキゲーマーの完成形態。見た目の変化として、うっすらと後光を放つようになっている。

ハイパーの文字通り、ムテキゲーマーをベースに超越を念頭においた能力を持つ。

戦闘能力の自由な操作が可能であり、任意のスペックに設定ができる。
カタログに記載する『∞』とは、人類が《未確認の数値》への到達を意味しており、そういう意味では理論上存在する数値での「自由に設定可能」を上回っていると言える。

またムテキガシャットの起動ボタンを押す事で《ハイパータイム》を開始。変身者の時空の超越を原理とする「時間の操作」が可能となる。時間の停止、加速、減速、逆行、空間移動及び次元移動など時間に関するほとんどの力を扱える。
当形態の時空超越によって、あらゆる時間系及び空間系能力の競合において優先権を持つ。そのため他の時空間操作能力による影響も当然受けず、逆に自能力を相手に適用できる。

額にある星型の「リアクトクリスタル・サード」は元来の卓越した索敵能力に加え、『起こりうる全ての未来を予測』して変身者に提供する。また対象のあらゆる心を見通し、テレパシーのように意思伝達、脳内情報の撹乱も可能。

加えて、これまでの亜種形態で使う高エネルギーによる特殊攻撃も使用可能である。

ここに敵が発するあらゆる攻撃及び特殊能力は全てこの仮面ライダーには無力化される。まさに全てを超越した無敵の仮面ライダーへと辿り着く。



 

 
目の前にいる邪悪な存在の言葉に、背中に冷たいものが走る。

ダークキバが動きを止めたのを見ると、マルドゥクはそのまま喋り始める。


「この結界は神石のエネルギー体が引き起こしたもの……しかしこの付近には着陸していないのは君たちも理解してるでしょう?」
「まさか————」
「さて、あちらの結界にはどの程度の戦力が残されているのでしょうか……?」


マルドゥクがデウスランパートで指した方角は……煙が立つ場所。

あそこは何を隠そう——


「千歌ちゃんの家の裏側!?」
「あそこには竜介先生が———」
「本当に1人で倒せるでしょうかねぇ……私の直属精鋭 ロード・オブ・クロウを。」


ルビィの考察はおおよそ当たっていて、おそらく神石のエネルギーが着地した場所は十千万の少し奥……

あっちにいる戦力として、虎太郎なら結界を破れるかもしれないが、その点をアイツらが考慮してないはずはない……つまり、「ロード・オブ・クロウがもう複数人復活して、送られている」可能性もあるんだ。

だったら……!


「俺がこの結界のどこかに穴を開ける。俺がマルドゥクを足止めするうちに、お前は先生の援軍に向かってくれ。」
「才……!」


【ピンク!】


ナーガスラッシャーで俺たちを閉じている結界に斬撃を飛ばし、そこにホールを形成した。


「早く行けッッッッッ!!!!」
「お、おう!」


ダークキバは大きく跳躍し、そのホールへと向かう……が。

【ダイカイガン!】

【ネクロム! オメガドライブ!】


「ぐっ……!」

主人がやってきた事で活力を取り戻したAN(アークネクロム)スペクターが、ダークキバに赤黒いエネルギー弾を撃ち込む。

装甲の硬いダークキバはダメージこそ微々しか受けないが、地上へと叩き落とされてしまう。


「ほう、すでに解除していましたか。まぁ時間能力も使いようですね。」
「変なところだけは頭回る…なぁっ!!」


俺はマルドゥクを蹴り倒し、その上に足を置くことで身動きを封じる。そして……少し疑惑に苛まれながらも、第二の矢を使う。

「だったら…アイツをリプログラミングする!」
「そうかその手があったか…!」

俺はスペアのマキシマムガシャットを取り出し、ナーガスラッシャーへとセットする。

【マキシマムガシャット! キメワザ!】

【MAXIMUM MIGHTY CRITICAL FINISH!】

ナーガスラッシャーから光線を放ち、ANスペクターへと命中。

リプログラミングが実行されANスペクターは膝をつくが……聞いていないかのようにすぐさま立ち上がった。


「何!?」
「やっぱりそうか……!」

俺とイフトが懸念していた通りのことが現実になってしまった———いや、この可能性こそ最も高かったのだ。

マルドゥクは高らかに笑う。


「フハハハハハッ…!彼の洗脳は脳に由来するものではなくDNA———つまりDNAの改変です。それも多岐かつ複雑な……可逆性は万にひとつもありません。」
「そんな———」


膝から崩れ落ちる鞠莉……他の8人も顔を背け、表情に影を落とす。

DNAのリプログラミングは一部かつ単純な書き換えであれば何とかなった……だが、多岐に及ぶともうDNAの大部分またはその全てを初期化するしかなくなる。

そこまでのリプログラミングは細かい初期化及び再構築は不可能——仮にできても膨大な時間がかかるし、さらにDNA改変を複雑化させる恐れもある。

DNA全初期化は記憶のリセット、人生のリセットを意味する。全く新しい人間……結局、さっきのスワンプマン問題にたどり着いてしまうのだ。

「クハハハハハハッ!!ハハハハハハッ!!」
「何で…畜生!」


ダークキバは地面を叩く。

俺も————いや、違う。

あぁ…もう、こんな時にこの感情出すのは本心じゃないのに。

でも———「俺の裏側」はその一言を放ってしまった。



「あーあ。消化試合だな。」


場の空気が一気に変わった。




—————※—————



「お前は……!」


竜介の前に現れたのは、先日自分を敗北に追い込んだ、ロード・オブ・クロウの1人 アシュク。

戦闘狂かつ狡猾な彼がこの場に置かれた理由はナムロドが念を入れて「掛けておく保険」を成り立たせるためであった。

「では……!」
「きゃっ!!」

アシュクは得意の超速移動で竜介を通り過ぎ、その背後……十千万からその様子をのぞいていた志満の後ろに立ち、その首にレイピアをちらつかせ、盾に取った。

「志満ねぇに何し
「邪魔だ。」
「うわっ!」

美渡は志満を取り返そうと動こうとしたが、アシュクは自らの黒い翼で超局地的な突風で旅館の奥へと吹き飛ばす。

「美渡!!」
「なに、死んじゃいない。意識を失っただけだ。」
「お前ッッ!!」


竜介はビルドドライバーを取り出そうとした————が、その瞬間、あることが脳裏をよぎる。

ここで変身すると志満たちに仮面ライダーの正体を晒すことになる……その事が竜介に変身を躊躇わせた。そして———躊躇う理由はもう一つある。


「この状況で動かぬとは理解が早いようだな———動けばこの女の命はないと思え。」
「くっ……!」
「竜介くん———逃げて…!」


志満は恐怖を抑えながら、声を出す。

そんな様子に竜介は、拳を握りしめながらアシュクを睨む。


「どうすればいい!?」
「この近くに落ちた神石を寄越せ。そうすれば解放してやる。」
「神石だと——!?」
「そうだ。」
「でも今すぐには……!」


竜介が困惑していたその時…紫色の土管が突如として現れる。

そして———中からヤツが出てくる。


「ブゥン!」
「お前は…イフト!!」
「フフフ———お前の欲しがっている神石というのはこれだろう?」
「!?!?」


イフトは踏ん反り返りながら、人差し指と中指で挟み込んだ青い宝石を一同に見せる。

竜介は神石を手に入れる手際の良さに驚く。


「お前それどうやって……!?」
「私の才能と君たちのお仲間がそれだけ優秀だったという話さ。」
「じゃあ虎太郎たちが———」
「ああ。」


竜介はホッと一息つく……だが彼の思いとは裏腹なことをイフトは考えていた。

そんなことはつゆ知らない竜介はイフトが持っていた神石を許可なしで奪い取る。しかしイフトに動揺はない。


「よし、交換だ!!」
「よかろう……w」


竜介が青い神石を投げた瞬間……イフトは目を大きく見開いた。

その時だった———

「あっ!!」
「!?!?」

『空間の歪み』にいち早く気づいてしまった竜介が大きな声をあげてしまった———

その異変にアシュクは気づかないわけはなく、すぐさま異次元の速さでその場所から移動する。

作戦は……失敗した。


「私としたことがこんな小細工に騙されるとは……!」


怒りを隠しきれないアシュク……


「このくらいの罰は———受けてもらわんとな!!!」

人質に取られていた志満は衝撃を伴った張り手され……倒れ込んでしまう

「うっ……--------」
「志満ッッッッッ!!!!」

目の前の信じ難い、信じたくない状況に竜介は錯乱する。

「おいどうなってんだ!?何なんだよこれは!?!?!?」
「———全く、君のバカさには本当に飽き飽きする。」


イフトは竜介の肩をガシッと掴んだ。


「一時撤退だ。」
「なっ…おい!!」


イフトは紫の土管を召喚。そこに龍介を連れ込む形で撤退した。

2人が撤退したのを見届けたと同時、異空間の狭間から現れた————黄金の闇。

「やはり貴様か……」
「計画がうまく行かないのは久々だ。『やはり人間には不確定な要素が多すぎる。』」


RU(ライジングアルティメット)クウガは変身を解いた。白い軍服に赤き翼を生やした存在、アトエルへと戻った。

そのままアシュクと話を再開する。


「さて———その人質、生かしておけ。」
「貴様に言われる筋合いはない!!」
「そうか。その女を殺したところで被る害がわからんらしい。」

アトエルは虎太郎の時よりも、蔑みを含んだ冷めた目でアシュクを見下す。

理解できていない奴にアトエルは続ける。


「神石……今回のそれは【ギャラクシーロック】。この石の影響で張られた結界は、もうない。そして今、アヴァター様【伊口才】はナムロドと戦っている———縛りのなくなったアヴァター様はナムロドをどう嬲るか…」
「!!!」
「わかったか———ならギャラクシーロックとの取引を継続させるんだな。」


アトエルは忠告したのち、翼をはためかせて撤退した。


—————※—————


「あーあ。消化試合だな。」


場の空気が一気に凍りつく。俺の一言を異物とみなし、拒絶する空気が辺り一体に広がった。

その俺に最初に伺いを立てるのは果南だった。


「才、何言ってんの?」
「言葉通りの意味さ。もうこのゲームはしらけたんだよ。こんなクソゲーはとっとと終わらせるに限るってことだッッッ!!」


ショートワープでネクロムスペクターの目の前に迫った俺は、そのまま回し蹴りを脇腹にヒットさせ、吹き飛ばす。

ナムロドこと仮面ライダーマルドゥクはその事象に反応する前に、俺に眼前まで迫られ、ナーガスラッシャーを突きつけられる。


「お前不死身だからって調子乗りすぎじゃねぇか?肉体がないからってお前を殺せないわけなのにさ。」
「なっ…ぐわあああ!!!」

脇から一気に左腕を切り落とす。そのまま袈裟斬りをお見舞いする。

「しばらく止まってろバカ。」

【HYPER TIME!】


マルドゥクは再生途中の状態のまま静止してしまう———本来なら奴に時間操作は無力化されるが、ハイパータイムは時間能力者に優越するためにこの状況となっている。


「さてと……ん?」
「「「!!!!」」」

不運は続け様にやってくるもの———この時、結界がひび割れ、分断が解除された。

「神石のエネルギー体を倒したか———じゃあ。」


俺は再びスペクターの方を向く———さっきの回し蹴りは効いたのか、体にオーバーダメージを知らせる電流が流れている。

つまり……


「フィニッシュだ。」
「ちょ、ちょっと待てよ!!」


俺がムテキガシャットの天面ボタンを押そうとした瞬間、ダークキバは俺とヤツ【ANスペクター】の間に割って入る。

「お前なに考えてんだ…!」
「簡単な話。コイツには消えてもらう。」
「バカ言ってんじゃねぇぞ……稜なんだぞ!!俺たちの仲間の!」
「知ってるよ。だからこうするんだよ。」
「はぁ!?」


理解できないダークキバに、俺は当然の摂理を説くように抗弁する。


「もうコイツは今の段階では元に戻らない———だったらここで殺して、『生まれ変わらせる』しかないんだよ。」
「お前なに……何言ってんだよ?」
「絶対に生き返らせてやるから———そこ退けよ。」
「うっ。」


俺が脳内に送り込んだ『当然の摂理』に苦しむダークキバを押しのけ前に踏み出したその時。

ライダー全員に搭載されている秘匿通信デバイスから連絡が入る———同時に額のリアクトクリスタル・サード【第3の目】からの情報が入る。

「なるほどね……」

俺は———静止しているマルドゥクに手を翳し、この場から転送する。

「才……!」
「虎太郎から連絡を受けた。どうも面倒な状況らしい……だからナムロドを今回は見逃す。」


ナムロドが転送完了されると、生体情報に引っ張られたのか、ANスペクターも主人の後を追おうとする———


が。


ガシッ



逃げるように消えゆく実体を捕まえた。



「お前に次なんてない。今ここで敗者に相応しいエンディングを迎えろ。」





 
 

 
後書き
死刑宣告⭐︎ 
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