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スーパー戦隊総決戦

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第六話 獣の力その五

「どういうことだ、それは!」
「言った筈です。退屈でなければいい」
 言うことはこれに尽きた。
「私の望みはそれだけなのですから」
「じゃあ他は何もいいってのかよ」
「はい」
 まさにその通りだというのだ。
「ただ。彼等と一緒なら」
「誰だよ、そりゃ」
「今一緒にいる方々です」
 今度も自分から拳を出す。だがそれもゲキレッドに受けられる。
「退屈な思いをせずに楽しく過ごせそうですね」
「楽しくかよ」
「私は退屈しなければいいのです」
 それでいいというのだ。
「ですから」
「じゃあ聖杯っていうのは一体何なんだ?」
「さて。あれが必要かどうかもわかりませんが」
「必要じゃねえってのかよ」
「それはわかりません」
 話をするその間にも攻防は続いていく。
「ですがその力は魅力的です」
「だから手に入れるっていうのか」
「そういうところです。それでは」
 今度はゲキレッドの右からの蹴りを左手で受ける。
「貴方との戦いも楽しませてもらいましょう」
「またボールにしてやるからな!」
「それだけは受けるわけにはいきませんね」
 声に怒気がこもった。
「生憎ですがね」
「ちっ、じゃあそうやって好き放題戦うのは止めないんだな」
「とりあえずは」
「その為に多くの人が泣くんならな!」
 ゲキレッドも声が強くなった。
「俺はそれを止める!」
「ではどうぞ」
 そんなやり取りをしながら戦う二人だった。戦いはゲキレンジャー達優勢のまま進んでいた。やがて戦闘員達は倒れていきガジャやロン達だけになった。
 それを見てゲキバイオレットと戦っていたヤイバは冷静に言うのだった。
「ここは潮時だな」
「その様ですね」
 ロンが彼の言葉に頷く。
「それでは今は」
「撤退か。仕方ないか」
 クエスターレイがそれを聞いて言った。
「もう少し戦いたくもあったがな」
「ではここは」
 ヒョウガが名乗り出て来た。彼はゲキチョッパーと戦っていた。
「私が後詰よ」
「いえ、それには及びません」
 しかしここでロンが名乗り出るのだった。
「私にお任せ下さい」
「いいのか?」
「これも余興の一つ」
 だからだというのである。
「ですから是非共」
「わかった、それではだ」
「頼みました」
 レイとヒョウガがそれに応える。そうしてだった。
 ロンが後詰に出て来た。そのうえでゲキレンジャー達に向かう。
「さて、それでは私がです」
「来るっていうのかよ!」
「足止めをさせてもらいます」
 こうゲキレッドに答えるのだった。
「そういうことで」
「ここはあまり攻めない方がいいな」
 マジイエローは冷静に判断を下した。
「あまりな」
「そうね」
 ゲキイエローが彼の言葉に頷く。
「ロンだけなら。それに幾ら戦っても死なないし」
「封印することはできるが」 
 薫のゲキレッドが一歩前に出た。
「モジカラを使えば」
「それを今でしょうか」
「見せよう」
 こう言って早速右手に筆を出す。しかしここで思いとどまるのだった。
「駄目か」
「私を封印しようと思えば相当なモジカラが必要です」
 ロンは人間の姿に戻った。そのうえで恭しく述べるのだった。
 
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