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神々の塔

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第六十六話 御仏の教えその十

「クンダリーニに従いだ」
「魔を退ける」
「それが責だが」
 仏としての役割だというのだ。
「しかしな」
「他の仏様はですね」
「また違う」
 そうだというのだ。
「これがな」
「そうですね」
「そのことを知れば」
 そうすればというのだ。
「またな」
「ちゃいますね」
「そうだ」
 こう綾乃に話した。
「そのことを知っておいてくれ」
「わかりました」
「そうしてくれるといい、ではな」
「これよりですね」
「そなた達と戦い」
 そうしてとだ、軍荼利明王は話した。
「試す、そして勝てば」
「上の階に行きますね」
「そうなる、では行くぞ」
 こう話してだった、一行は仏達との戦に入った。一行は明王達に次々に勝っていった。そして最後に。
 二つの腕と目を持つ普通の姿の明王を前にした、その明王こそ。
「不動明王やな」
「そや」
 芥川はリーに答えた。
「まさに最強の明王さんや」
「あらゆる魔を降す」
「そうしたな」
 まさにというのだ。
「今言った通りな」
「最強の明王さんやな」
「これまでの明王さんも強かったが」 
 その中に軍荼利明王も入っていることは言うまでもない。
「お不動さんはや」
「まさに最強で」
「その炎でな」
 見れば明王の背には燃え盛るそれがある。
「全ての魔を焼いて浄化する」
「そうか、ほなその炎にな」
「向かうで、それでや」
 芥川はさらに話した。
「実はお不動さんは外見は人と変わらんな」
「他の明王さんと違ってな」
「軍荼利明王さんは八本の腕があるが」
 その一本一本の手首に蛇が巻かれている、生きているそれがだ。
「他にも腕とかお顔がな」
「幾つもあるな」
「しかしお不動さんはな」
「腕は二本、目は二つ」
「お顔は一つや」
「一見弱そうやな」
「他の明王さん達に比べてな」 
 腕や目が少ない分というのだ。
「しかしや」
「それは大きな間違いやな」
「攻撃の数も多くて」
 そうしてというのだ。 
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