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神々の塔

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第六十六話 御仏の教えその九

「信仰の自由」
「それや」
 まさにというのだ。
「それがあってこそな」
「ええね」
「そや」
 まさにというのだ。
「信仰はな」
「認める」
「その自由はな」
「それでお互いの融和を進める」
「そうしていかなあかんな」
「これからも」
 そうした話をしてだった。
 一行は神霊達のいる階に来た、すると。
 そこにいた軍荼利明王がだ、一行に強い声で言った。
「我等は他の教えを害さぬ」
「そうですね」
「決してな」
「それが正しい在り方ですね」
「信仰のだ、だが」
 難しい顔を明王の憤怒の相に出してだ、明王は言った。
「残念だが人は」
「中々ですね」
「世界は一つではないとだ」
 その様にというのだ。
「考えられない」
「自分の世界だけで」
「そしてだ」
「その世界が絶対やとですね」
「思う、だが違うのだ」
 それがというのだ。
「世界は一つではなくな」
「神界もですね」
「多くあるのだ」
「そのことを知ることですね」
「我等の世界もあれば」
 仏教のそれもというのだ。
「そしてだ」
「他の世界もですね」
「あるのだ」
「そうですね」
「そのことを理解すれば」
 そうすればというのだ。
「それだけでだ」
「ちゃいますね」
 芥川が言った。
「何事も」
「世界、神界も一つではなく」
 軍荼利明王はさらに話した。
「正義もだ」
「一つやないですね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「我等仏にしてもだ」
「それは同じですね」
「それぞれ役割がある」
 このことを言うのだった。
「如来、菩薩、天にだ」
「明王もありますね」
「我等は憤怒してだ」
 明王は実は如来や菩薩の憤怒身とされている、例えば不動明王は大日如来の憤怒身であるとされている。
「そのうえでな」
「仏敵を倒す」
「どれが正義かはな」
 このことはというのだ。
「そうはな」
「すぐには言えませんね」
 綾乃が応えた。
「そうですね」
「そうだ、我にしてもだ」
 軍荼利明王は自身のことも話した。 
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