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親友の彼女

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第二章

「そこまで背の高い女性はいたかい?」
「一八〇ある女の人もね」
「滅多にいなかったね」
「僕達の学年ではいなかったね」
「そうだよ、あの大谷翔平選手でだよ」 
 メジャーで活躍している日本人選手の話もした。
「あのメジャーでもかなり大きい方だね」
「一九三でね」
「その大谷選手の奥さんどうだい」 
 ネット上で話題になったこの人はというのだ。
「一八〇以上あるが」
「そうはない高さだね」
「女性としてはだね、その人よりもだよ」
「ハニーは高いからかい」
「そんな人が他にいるかい、そこまで背の高い人はね」 
 そうした女性はというのだ。
「やっぱり往々にしてね」
「もてないっていうんだね」
「そうだよ、君が宇宙一と思っても」
 そこまでの美女だとだ。
「僕のタイプじゃないよ、だから君の彼女にはね」
「何もしないんだ」
「友人としてお付き合いさせてくれれば嬉しいよ」
「それだけだね、あと僕はそもそも誠実でありたいと思っているから」
 倫理観の話もした。
「間違ってもだよ」
「親友の彼女にはだね」
「手を出さないよ」
「そうなんだね、いや邪推だったかな」
「以後気を付けてくれ、僕以外の誰にも」
「思ったらいけないことだね」
「君の彼女も浮気はしないね」
 チャールストンに尋ねた。
「言われてみると」
「警戒は必要でも」
 それでもというのだ。
「人を無闇に疑うのはね」
「駄目だね」
「そうだよ」 
 まさにというのだ。
「本当にね」
「だからだね」
「以後そうしたことは思うことはあっても」
「言わないことだね」
「関係が壊れても」
 人と人のそれがというのだ。
「当然という行為だからね」
「そうだね、以後言わないよ」
「そうしたらいいよ、兎に角人には好みがあって」
「人を疑うことは言わない」
「相手を信じる、信じられる人とわかったら」
 その時はというのだ。
「信じることだよ」
「その言葉肝に銘じておくよ」
「頼むよ」
 こう親友に言った、そしてだった。
 チャールストンは以後李と恋人を疑うことはなかった、そして彼が宇宙一の美女と言う彼女の評価は。
「背が高過ぎて」
「ちょっとな」
「顔立ちは奇麗でも独特で」
「かなり好みが分かれるな」
 彼以外の者はこう言って恋愛対象とは見なかった、彼は気付いていなかったが彼女の評価はそうしたものだった。


親友の彼女   完


                   2024・4・25 
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