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夢幻水滸伝

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第三百四十四話 奇策破りその七

「全軍で一気に攻めたわ」
「そうですか、やっぱり」
「それでどうや」
「この通りです、街に攻め入れられました」
 デリーロは苦い顔で答えた。
「軍の損害もでかいですし」
「そうか、それで今からやな」
「ちょっと足止めさせてもらいます」
「その間にやな」
「こっちもやることやるんで」
「守る準備するか」
「そうさせてもらいます」
 こう言うのだった。
「ここは」
「そうか、ほなな」
「これからですね」
「やるで、しかしな」
「守らせるつもりはないですね」
「こっちとしてはな、ほなやるで」
 トウェインはデリーロに親しく告げた、そしてだった。
 右手にバルムンク、左手にミョッルニルをモッテサンダーバードに乗ってそのうえでデリーロに対して告げた。
「一騎打ちするか」
「いえ、あたしはソーサラーですさかい」
「闘士のわいと戦っても分が悪いか」
「戦闘系の商業ですね」
「自分は魔術系でな」
「しかもトウェインさんは神星です」
 コノコトモダ、デリーロは話した。
「そしてあたしは地の星です」
「格の差もあるか」
「そうですさかい」
 だからだというのだ。
「一騎打ちはです」
「せんか」
「しかし時間は稼げます」
「時間か」
「こうして」
 この言葉と共にだった。
 デリーロは妖術ソーサラー独特のそれを放った、通常の術とは違い様々な獣やモンスターを術で生み出してだった。
 トウェインに襲わせた、そうして言うのだった。
「これではトウェインさんに勝てずとも」
「確かに時間稼ぎになるな」
「そうですね」
「ああ、自分自らわいを足止めするか」
「そうして時間稼ぎをします」
「成程な、しかしな」 
 トウェインは余裕のある笑みを浮かべて話した。
「それをさせんのがや」
「トウェイン様の対策ですね」
「そや、こうしてや」
 この言葉と共にだった。
 トウェインはサンダーバードにだ、こう命じた。今は二十メートル程の高さで主を乗せてそこに留まっている。
「やれるか」
「はい、ここはですね」
「ああ、自分の力も借りたいけどな」
「畏まりました」
 サンダーバードは礼儀正しく応えた。
「それでは」
「敵の数が多いとな」
「全体攻撃ですね」
「その攻撃がや」
「一番ですね」
「デリーロもそれをわかってな」
 そのうえでというのだ。
「出してきてるが」
「はい、もうそれはです」
 デリーロ自身も言ってきた。 
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