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夢幻水滸伝

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第三百四十四話 奇策破りその四

 そちらでの奇策の準備をした、それが整った頃にだ。
 トウェインは自身が率いる軍勢と共にラファイエットのすぐ東に来た、そうして城壁に囲まれた街を見て言った。
「ここで囲むと思うな」
「街を攻める、攻城戦になりますと」
「確かにそうなりますね」
「まずは囲みます」
「そうします」
「しかしどう囲んでくるか敵もわかってる」
 トウェインは将兵達に面白そうに笑って話した。
「そこに色々罠、地雷とか落とし穴とか伏兵とか置くとどうや」
「そうなりますと」
「厄介ですね」
「そうしたやり方もありますね」
「確かに」
「そして空から攻めるのもな」
 そのやり方もというのだ。
「対策があるな」
「高射砲や対空機関砲ですか」
「そして他にもありますね」
「対策は幾らでもありますね」
「降下されそうな場所にや」
 そうして街に入ろうとしてもというのだ。
「罠を置く、先を尖らせた杭を置いてもや」
「効果がありますね」
「そうしても」
「言われてみますと」
「幾らでもあるわ、防戦でも奇策をしようと思えば」
 そう考えればというのだ。
「ある、しかしその奇策もこっちが乗らんとどや」
「意味はないですね」
「囲まず降下しないと」
「そうであるなら」
「そや、それでや」
 その為にというのだ。
「ここは囲まん、そして空から地面への攻撃は低空からの攻撃がお約束やな」
「はい、だから高射砲や対空砲があります」
「特に対空砲がそうですね」
「高射砲は高空にも攻撃出来ますが」
「やはり低空です」
「そや、それでや」
 低空からの攻撃は反撃を受けやすいのでというのだ。
「ここはな」
「高空ですか」
「高空からの攻撃を行いますか」
「そうしますか」
「普通は航空からの攻撃は風とかを考慮するな」
 爆撃で落下させる爆弾が風の影響を受けて目標から逸れるのだ、その為絨毯爆撃でもない限り出来るだけ低空から攻撃を仕掛けるのだ。
「そこでや」
「風を計算に入れますか」
「最初から」
「そうして高空からの攻撃を行いますか」
「そうするのですね」
「そや、風に乗せてや」
 高空からの攻撃をというのだ。
「行う、その直後にや」
「街に一気に迫り」
「集中攻撃、突撃を以てですか」
「街を攻めますか」
「数を力として」
「そうする、奇策への対策はそれぞれ講じるけどな」
 それと共にというのだ。
「一番の対処方法を行うんや」
「それこそがまさにですね」
「奇策を使わせない」
「最初から」
「奇策を仕掛けられる前に敵を倒す」
「そうしますね」
「そや、こっちが全力で攻めればな」
 トウェインは自軍が数と装備において有利であること、今回奇策を仕掛けられているその前提から言うのだった。 
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