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八条学園騒動記

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第七百四十六話 ベーグルその九

「月月火水木金金とです」
「一週間ずっとですね」
「働いたり学ぶことはです」
「しないですか」
「潰れますので」
 そうした日常を過ごせばというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「休みはです」
「必ずありますか」
「むしろ休まないと」
 さもないと、というのだ。
「ならないとです」
「教えていますか」
「怠惰は罪でも」
 それも大罪である。
「ずっと働いていてはです」
「身体がもたないので」
「しません、そもそも日本軍も」
 ここで言うのは帝国海軍だが帝国陸軍もかなりのものだった。
「普段はです」
「休んでたんですか」
 ウェンディが尋ねた。
「そうだったんですか」
「はい、戦争中や特に重要な訓練の時はそうでしたが」
「一週間休まずですね」
「戦い訓練をしていましたが」
 そうであったがというのだ。
「しかしです」
「普段は、ですか」
「休みかつ遊びもです」
 こちらもというのだ。
「楽しんでいました」
「そうだったんですね」
「そうでした」
「あの二十世紀最強と言われた軍隊でも」
 二次大戦で敗れはしたが連合ではこう言われているのだ。
「それでもですか」
「休む時はです」
「休んでいて」
「英気を養っていました」
「そうだったんですね」
「ユダヤ教は確かに厳しいです」 
 ラビの人も否定しない。
「ですが考えるところはです」
「考えていますか」
「はい、そして」 
 そのうえでというのだ。
「しっかりと今もです」
「あるんですね」
「信仰は続いています」
「三千七百年位ですか」
「左様です」
「そうなんですね」
「若し厳しいだけで」
 それでというのだ。
「何もないのではです」
「信仰は続かないですね」
「人が暮らしていける教えでなければ」
 そうでなければというのだ。
「とてもです」
「続かないですか」
「そうですから」
 だからだというのだ。
「休息もです」
「ありますね」
「そうなのです」
「厳しくてもですね」
「休息もなければ」
 そうでなければというのだ。
「まことにです」
「人はですね」
「何時か潰れてしまいます」 
 そうなってしまうというのだ。 
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