夢幻水滸伝
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第三百四十三話 ミシシッピー川掌握その十五
「ルイジアナ州を奪い返すわよ」
「ニューオーリンズまで至りますね」
「あの街に」
「そうしますね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
デリーロは昼食の時間になったので将兵達に食事を摂らせた、勿論自分も食べるがサンドイッチにシチューを食べてだ。
そのシチュー、ビーフシチューを見て将兵達にこんなことを言った。
「あったかいシチューを食べるとね」
「元気が出ますね」
「どうにも」
「そうなりますね」
「ええ、戦場でもね」
命のやり取りを行う場でもというのだ。
「やっぱりね」
「温かいものが食べられる」
「このことは嬉しいですね」
「実に」
「そうよ、まずは食べられることがね」
このことがというのだ。
「前提だけれど」
「それでもですね」
「冷たいとですね」
「やはり残念ですね」
「携帯食ばかりやと」
そうであるならというのだ。
「やっぱりね」
「残念です」
「そうしたものばかりですと」
「士気にも関わります」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「戦の時もよ」
「温かいものを食べる」
「そうなる様にしますね」
「今もそうで」
「今後もですね」
「そうよ、間違ってもね」
こうもだ、デリーロは言った。
「塩漬けのお肉や固いパンばかりというのはね」
「しないですね」
「幾ら何でも」
「食べることが第一でも」
「そうよ、酷いお肉になったら」
塩漬けのというのだ。
「蛆が湧くわね」
「パンもそうですね」
「ですがそうしたものでも食べないといけないですね」
「そうしたものしかないなら」
「それなら」
「蛆は食べられるけれど」
実はそうであるのだ、蛋白質にはなるのだ。
「正直生きたままではね」
「とてもですね」
「食べたくないですね」
「あの様なものは」
「そうでしょ、だからね」
それ故にというのだ。
「ちゃんとしたものが食べられることはね」
「大きいですね」
「それも実に」
「特に温かいものが」
「そうよ、こんなええことはないわ」
こう言ってだった。
デリーロはビーフシチューの暖かさに笑顔になってそのうえで食べた、そのうえでトウェインが率いる軍に仕掛けるのだった。
第三百四十三話 完
2024・2・23
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