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オズのヘンリーおじさん

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第十二幕その十

「もうね」
「そうだよね」
「そんな気持ちがあっても」
「多分ね、もう忘れたけれど」
 それでもと言うドロシーでした。
「自分がね」
「嫌な気持ちになるだけだね」
「そうでしょうね」
 こう言うのでした。
「本当に」
「そうだよね」
「それで嫌なこともしたら」
「余計に嫌だね」
「それよりもね」
「幸せにね」
「ならないとね」
 そうしたことを思うよりもというのです。
「駄目よ」
「その通りだね」
 ハンクもまさにと頷きました。
「僕もそう思うよ」
「だから今ね」
「こうしていられて思えて」
「心から嬉しくて」
 そしてというのです。
「幸せよ」
「そうだよね」
「何かお話を聞いてますと」
 恵梨香は鰹のたたきを食べつつ言いました。
「人の幸せを楽しめるっていいですね」
「オズの国でいつも実感してますけれど」
 ジョージはしめ鯖を食べています。
「素晴らしいことですね」
「自分だけじゃないですからね」
 神宝は赤貝を食べています」
「世の中にいるのは」
「それで皆が幸せになる様に出来て」 
 ナターシャはあじを食べながら言いました。
「そうして喜べたら最高ですね」
「そうなる様にです」
 カルロスは帆立を食べています。
「僕達もしていきたいです」
「そうしていってね」 
 ドロシーは五人にも答えました。
「貴方達も」
「それが一番ですよね」
「幸せですよね」
「他の皆の幸せも喜べたら」
「その為に動けたら」
「それで」
「市分だけの幸せはね」
 それはといいますと。
「もうね」
「まさに自分だけで」
「それで、ですね」
「小さいですね」
「狭いですね」
「そうした幸せですね」
「だからね」 
 それでというのです。
「貴方達もそうしているしね」
「してます?」
「そうしてます?」
「私達も」
「そうですか?」
「ちゃんとしてますか?」
「しているわ」
 こう言うのでした。 
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