オズのヘンリーおじさん
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第十二幕その九
「皆でね」
「やっていくことね」
「自分だけが幸せになるよりも」
「皆もで」
「他の人の幸せも喜びたいのなら」
そう考えるならというのです。
「皆でだよ」
「やることなのね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「そうね、それが人としてあるべきで」
「オズの国でもだね」
「そう考えられているわね」
「そうだよ」
「当然でしょ、私だってね」
エリカは鮭を食べながら言いました。
「そうしたことはね」
「考えているのね」
「そしてやってるでしょ」
「ええ」
ドロシーは鱈の白子を食べつつ頷きました。
「それはね」
「猫だってね」
「そうしたことを思って」
「そしてよ」
そのうえでというのです。
「ちゃんとね」
「やっていっているわね」
「昔は我儘だったわね」
エリカは自分から言いました。
「けれどそれもね」
「あらためて」
「そうしてよ」
「今は皆と一緒にね」
「仲よくね」
「幸せになって」
「他の皆の幸せが嬉しくなっているわ」
そうなっているというのです。
「私だってね」
「オズの国は皆そうだから」
トトは蝦蛄を食べながらドロシーに言いました。
「いいんだよね」
「他の人の幸せだってね」
ドロシーはトトにも応えました、そうしながら誰よりも嬉しくなっています。そのうえで言うのです。
「喜べるわね」
「嫉んだり僻むなんてね」
「オズの国にはないから」
「どんな気持ちか」
「最初からいる人は知らなくて」
「僕達みたいなね」
今はイクラを食べているドロシーに言いました。
「外の世界から来ても」
「オズの国にいると」
「忘れるね」
「そうよね」
「そんな気持ちはね」
嫉んだり僻んだりするそれはというのです。
「絶対にだよね」
「よくないわ」
「そうだよね」
「だからね」
それでというのです。
「私もね」
「そう言うね」
「ええ」
まさにというのです。
「心からね」
「全くだね」
「いや、嫉んだり僻んだりとか」
ハンクもそうした気持ちがわからなくなっています、もっと言えば知らないでおしんこ巻きを食べています。
「そんな気持ちは何にもならないね」
「ええ、そうよ」
ドロシーはその通りだと河童巻きを食べながら言いました。
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