金木犀の許嫁
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第九話 忍者は人を殺さないその九
「神戸ですから」
「ヤクザ屋さんね」
「スーパー銭湯には行けないですが」
入れ墨を入れている客はお断りとなっているのだ、こうしたことからも入れ墨を入れていると不都合があるのだ。
「何かとです」
「いるのね」
「そうした人が」
「佐京君は見たことあるのね」
「はい、街の半グレとか」
「ああ、そうした連中も入れてるわね」
「模様みたいなものを」
そうした入れ墨をというのだ。
「入れています」
「そうなのね」
「それも見える場所に。大阪でも」
「繁華街とか行ったら?」
「います、何でもお風呂屋さんに行けば」
昔ながらの銭湯のことである、銭湯とスーパー銭湯はまた違うのだ。
「結構見るそうです」
「大阪もそうした人多いのよね」
「ヤクザ屋さんは減ったそうですが」
「半グレが増えてね」
「それで」
「そうした人達が入れていて」
「よく見られるそうです」
こう話すのだった。
「これが」
「そうなのね」
「そして」
佐京は真昼にさらに話した。
「近寄らないこととです」
「言われるのね」
「何するかわからないって言われました」
「というか悪いことするのよ」
真昼は真顔で答えた。
「そうした人達は」
「わからないんじゃないですか」
「わかっているのよ」
その逆にというのだ。
「もうね」
「だから近寄らないことですね」
「そうよ」
「そうですか」
「首筋や手首もそうで」
そうした場所に入れ墨を入れている輩は要注意でというのだ。
「特にお顔にね」
「入れてる人いる?」
「いるわよ」
まさかという顔になった妹に答えた。
「これがね」
「お顔って」
これには夜空も引いた、そうして言うのだった。
「ええと、昔のアイヌの人達はね」
「入れ墨入れていてね」
「習慣でね」
「お顔に入れる人達も世界にはいるわね」
「その部族の習慣でね」
「そうだけれどね」
「今の日本だと」
どうかとだ、夜空は言った。
「あんまりね」
「ないでしょ」
「有り得ないわよ」
顔を曇らせて言うのだった。
「もうそれって所謂ドキュンの中でも」
「ドキュンの中のドキュンよね」
「そう言うしかね」
それこそというのだ。
「ないわよ」
「そうでしょ、実際にそんな人もね」
「いるのね」
「それでそんな人見たら」
自分の顔に入れ墨を入れている様な人物はというのだ。
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