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金木犀の許嫁

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第九話 忍者は人を殺さないその一

                第九話  忍者は人を殺さない
 佐京と真昼は今は自宅で手裏剣を投げる練習をしていた、自宅にある忍術の稽古場で手裏剣を的に向かって投げていた、着ている服は忍者装束だ。
 その様子を見てだ、夜空は言った。
「手裏剣ってあまり強くない?」
「そう、威力弱いから」
 佐京は彼女に顔を向けて答えた。
「実は」
「やっぱりそうなのね」
「これで敵は倒せない」
 そうだとううのだ。
「重いからあまり速く飛ばないし刃も小さい」
「野球の硬球の方が威力があるかも知れないです」
 白華も夜空に話した。
「それこそ」
「硬球って頭にぶつかると死ぬかも知れないしね」
「だからバッターの人はヘルメットを被っています」
「頭を守る為に」
「はい」
「そうそう、ヘルメットを被ることって大事よ」
 真昼はまさにと言った。
「野球でもね」
「デッドボールを頭に受けますと」
「下手したら命に関わるからね」
「そうですよね」
「田淵さんなんかね」
 田淵幸一である、六大学でスラッガーとして名を挙げ阪神タイガースに鳴りもの入りで入団しスター選手となった人物である。
「頭にまともに受けて」
「危うく、でしたね」
「その後遺症に苦しんだらしいし」
「田淵さんで絶対に言われることですね」
「耳の部分も覆っていたらね」 
 当時の野球のヘルメットがというのだ。
「まだね」
「よかったかも知れないですね」
「それだけね」
「ヘルメットは大事ですね」
「そうなのよね」
「それだけ硬球は強いです」 
 白華はあらためて言った。
「手裏剣も頭に当たると威力はありますが」
「硬球の方が強いのね」
「そうです、投げやすいですし」
「武器としてはいいのね」
「そうです」
 野球の白球の方がというのだ。
「大谷さんの投げるボールなんかは」
「とんでもないでしょうね」
 夜空も頷くことだった。
「一六五キロだから」
「最大で」
「そんなの頭に受けたら」
「どうなるかわかりません」
「そうよね」
「手裏剣は武器ではそうです」
 あまり威力の高いものではないというのだ。
「まことに」
「そうよね」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
「サバイバルツールやアーミーナイフみたいな」
「そうして使うもの」 
 佐京も言ってきた。
「今俺達は投げる修行していたけれど」
「そっちの方がよく使います」
「掘ったり切ったり」
「他にも色々使えます」
「そうなのね、漫画だとね」
 夜空は二人の話を聞いた忍者漫画から話した。
「昔のだと敵を一撃で倒す」
「無理だから」
 佐京はきっぱりと言い切った。 
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