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オズのヘンリーおじさん

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第六幕その八

「鯨は人間の次に頭がいいから」
「食べたらいけなかったのね」
「そう言っている人がいたらしいよ」
「だったら牛がそうだったら」
「言うかな、けれど牛はね」
 こちらの生きものはというのです。
「アメリカじゃ殆どの人が食べるね」
「そうよね」
「だからね」
「そうは言わないのね」
「わしはそうなっていると思うよ」
「それは違うでしょ」
 エリカはきっぱりと言いました。
「その論理だと牛が人間の次に頭がいいならね」
「牛は食べたら駄目ね」
「豚や羊や鶏がそうなら食べないの?」
「そうはならないでしょうね」
「そうでしょ、アメリカじゃ鯨は食べないし」
「殆どの国でそうみたいね」
「外の世界ではね、自分達が食べないから」
 それでというのです。
「そうした理由があってもね」
「食べたら駄目っていうのは」
「おかしな論理よ」
「そうよね」
 ドロシーもそれはと頷きます。
「やっぱり」
「そうよ、そんなこと言うなら」
 それならというのです。
「わたしそんな人がいたらね」
「おかしいって言うわね」
「はっきりとね」
 エリカは胸を張って言いました。
「絶対にね」
「そうよね」
「そんなおかしなお話はオズの国じゃないから」
 トロットが言ってきました。
「安心していいわ」
「ええ、誰もそんなおかしなことは言わないわ」
「法律でもよ」
「そんなものはないわね」
「何でそんなこと言うのか」 
 首を傾げさせてです、トロットは言いました。
「私全くよ」
「理解出来ないわね」
「ドロシーもでしょ」
「ええ」
 その通りとです、ドロシーも答えます。
「全くね」
「そうよ、本当にね」
「意味不明ね」
「そんなお話よ」
「そうね」
 まさにというのでした。
「どう考えても」
「私は鯨好きよ」
 ベッツイははっきりと言いました。
「和食のそれがね」
「貴女はそうよね」
「食べられるものは何でもね」
「食べるべきよね」
「オズの国の神々と主に感謝して」
 そうしてというのです。
「食べるべきよ」
「鯨だってね」
「そうよ、じゃあね」
「今夜はね」
「鯨料理をね」
「楽しむわね」
「そうしましょう」
 こうお話してからでした。 
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