オズのヘンリーおじさん
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第六幕その六
「心ゆくまでね」
「それじゃあな、しかし」
おじさんは海老フライを食べてです。
そしてカレーも食べてです、また言いました。
「フライとカレーは合うんだな」
「だからカツカレーもよ」
「あるんだな」
「そうよ」
まさにといのです。
「ああしてね」
「そうなんだな」
「海老フライカレーもよ」
「あるんだな」
「そうよ」
「それも美味しそうだな」
おじさんはお話を聞いて言いました。
「海老フライカレーも」
「そう思うでしょ」
「それならな」
「ええ、今度ね」
「食べたらいいな」
「カレーは朝に食べてもいいから」
ドロシーは笑顔でお話しました。
「外の世界だと毎朝カレーを食べてた人がいたそうだし」
「イチローさんですね」
恵梨香が応えました。
「野球選手の」
「あの人のことは凄く有名でね」
「オズの国にも伝わっていますか」
「そうなの」
こうお話しました。
「それで私もね」
「ご存知なんですね」
「それで試しにね」
「朝にカレーを食べるとですか」
「調子よかったわ」
恵梨香に笑顔でお話しました。
「実際にね」
「そうだったんですね」
「だからね」
「ヘンリーさんとエマさんにですか」
「ホテルにお話して」
それでというのです。
「朝にね」
「カレーですね」
「海老フライカレーをね」
まさにそれをというのです。
「食べてもらいましょう」
「それでお二人にもですね」
「食べてもらいましょう」
「わかりました」
「それとね」
ドロシーは恵梨香にさらに言いました。
「オズの国では鯨も食べるから」
「そうですよね、こちらでは」
「日本と同じでね」
「そうしてますね」
「だからおじさんとおばさんにはね」
「鯨もですね」
「食べてもらうわ」
こちらもというのです。
「是非ね」
「鯨かい」
おじさんはこの生きものと聞いておや、となって言いました。
「オズの国では食べると聞いたけれど」
「おじさんとおばさんはね」
「鯨油は使っていたよ」
こちらはというのです。
「そうだったよ、けれど」
「それでもよね」
「食べるなんてな」
「なかったわね」
「オズの国に来るまで食べられること自体が」
それこそというのです。
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