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神々の塔

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第五十九話 荒野の宗教その十一

「面白いこと思いついたわ」
「といいますと」
「ここはな」 
 笑みを浮かべたまま言うのだった。
「自分は自分で攻撃してな」
「そうしてですか」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「僕は術で舞うわ」
「舞空の術で」
「そして戦うわ」
「ですがそれをされますと」 
 どうかとだ、鵺は主に怪訝な声で話した。
「どうしてもです」
「舞空の術で舞ってもな」
「私に乗るよりも動きが遅いです」
「翼を持ってる天使さんには大きく劣るな」
「そうなりますが」
「それでもや、攻撃するモンの数が多いとな」
 そうなると、というのだ。
「それだけです」
「攻められるので」
「ああ、自分に乗っても戦えるが」 
 それは可能であるがというのだ。
「そやけどな」
「今回はですか」
「攻撃の数を増やしたいわ」
「中里様も空を飛ばれて」
「接近戦もしたいんや」
 この戦術もというのだ。
「それやとな」
「私に乗っていない方がいいですね」
「自分に乗ってると速いが」 
 空でもその様に移動出来るがというのだ。
「足が使えん」
「そこが問題ですね」
「足もな」 
 この部分を用いることもというのだ。
「接近戦では重要やろ」
「それもかなり」
「蹴ったり払ったりな」
「そうした攻撃が可能なので」
「接近戦は足もや」
 身体のこの部分を用いることもというのだ、事実多くの格闘技では足を用いた攻撃が極めて重要である。
「用いてこそやし」
「この度はですね」
「僕も空を飛んで」
 舞空の術を用いてというのだ。
「そのうえでな」
「戦われますね」
「そうしたいわ」
「わかりました」
 それではとだ、鵺も応えた。
「ご主人様の戦術もいいかと」
「そやな」
「しかも神霊の方から見て」 
 そのカマエルを見ても話した。
「的が多いとです」
「狙って攻撃しようと思ったらな」
「的が増えますと」
「どの的を狙うかな」
「迷いますし」
「いくつかの的に絞っても」
「外れる的もあります」
「その的が攻撃してもな」 
 その様にしてもというのだ。
「対処出来ん、そやからな」
「今回はですね」
「そうして戦おうな」
「それでは」
 鵺も頷いた、そうしてだった。 
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