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オズのヘンリーおじさん

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第五幕その一

                第五幕  漁港に着いて
 一行は森に入りました、もうマンチキンに入っていて森の葉も下の草も全て奇麗な青色になっています。 
 その青い木々を見てです、おじさんは言いました。
「いや、マンチキンに入るとな」
「草木も何もかもが青くなるのよね」
「そうよな」
「ウィンキーは黄色で」
 おばさんはこの国のお話もしました。
「ギリキンは紫で」
「カドリングは赤でな」
「そして私達が今暮らしているね」
「エメラルドの都は緑だな」
「そうよね、オズの国はね」
「それぞれの色があるな」
「それが大きな特徴ね」
「わし等が最初にオズの国にいた頃は」
 おじさんはその時のお話もしました。
「マンチキンの服を着ていたな」
「青いね」
「いや、その時のことを思い出して」 
 そしてというのです。
「今懐かしく感じてるよ」
「私もよ」
 おばさんもでした。
「あの時のことはね」
「忘れられないな」
「カンサスでどうなるかって思っていたけれど」
「これからな」
「畑もお家も手放しそうで」 
 そうした状況に陥っていてというのです。
「果たしてね」
「どうなるかと思っていたら」
「ドロシーのお陰でな」
「この国に来られたわね」
「オズの国にな」
「若しも」
 それこそというのです。
「ドロシーがいなかったら」
「わし等はどうなっていたか」
「わからなかったわね」
「全くだ、そしてだ」
「今みたいに幸せにはね」
「過ごせなかったな、それで今朝もな」 
 おじさんは笑顔で言いました。
「あんな美味いご飯を食べられなかった」
「白いご飯にお味噌汁にめざしにね」
「お漬けものにな」
「納豆もね」
「いや、納豆はお寿司にもあったけれどな」
 それでもというのです。
「あの匂いは凄かったな」
「衝撃だったわ」
「けれどご飯にかけて食べたら」 
 納豆をというのです。
「これがな」
「凄く美味しいわね」
「そうだったな、だからな」 
 それでというのです。
「この国に来られてよかったよ」
「こうしたものも見られるしね」
「国によって色が違う」
「このこともね」
「オズの国ではこうだからね」 
 ドロシーが二人に応えました。
「国によってね」
「色が違うこともか」
「オズの国では普通なのね」
「そうよ、私も最初は驚いたわ」
 オズの国に最初に来た時はです。 
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