夢幻水滸伝
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第三百三十六話 アリゾナのカウボーイその十七
「余計にええな」
「ご主人様には下りて頂き私だけで突進するつもりでしたが」
「おいらも一緒やとええやろ」
「はい、確かに」
主にその通りだと答えた。
「その方がいいです」
「ほなな」
「そうさせてもらいます」
こう話してだった。
共に城門に突進しホイットマンはゲイボルグでかなり破損していた城壁に一撃を放ち倒壊させていってだった。
ホワイトバファローの突進が城門を粉々にした、それでだった。
敵軍は完全に意気消沈した、彼等は街の中に飛び込んだホイットマンを見て言った。
「これは駄目だ」
「勝てないぞ」
「ここまで一気にされる方だとは」
「ただお強いだけではない」
「勇気もおありだ」
「城門すら一撃で壊した」
「今の突撃で」
唖然として言うのだった。
「これは駄目だ」
「到底勝てない」
「まだ敵には大軍がいる」
「無傷で装備のいい軍が」
「抵抗しても無駄だ」
「どうにもならない」
こう言ってだった。
将兵達は武器を地面に置いて手を挙げた、そして話を聞いた市長もだった。
幸福を決意した、それを見てだった。
ダグラスも降伏した、こうしてアリゾナ州は完全にホイットマンが掌握したが。
彼はそれからだ、自宅でホワイトバファローに話した。
「暫くは内政にや」
「専念されますか」
「最初からそのつもりやった」
昼食のチキンナゲットを食べつつ話した。
「アリゾナ州を統一したらな」
「それからはですね」
「暫くはな」
「内政に専念しますね」
「そして州戦隊を豊かにするわ」
そうするというのだ。
「ここはな」
「そうされますか」
「暫くは戦はな」
これはというのだ。
「することもないやろし」
「それで、ですね」
「賊やモンスターの討伐は続けてな」
そのうえでというのだ。
「腰を据えてや」
「治めていかれますね」
「そうするわ」
こう言って実際にだった。
スタインベックはアリゾナ州を統一してからは内政に専念した、そしてまた動くべき時を迎えるのだった。
第三百三十六話 完
2024・1・1
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