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夢幻水滸伝

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第三百三十六話 アリゾナのカウボーイその三

「もうそれこそです」
「星のモン位か」
「そうです、レベルやステータスは嘘を吐きません」
 牧童は言い切った。
「そうですから」
「わかるか」
「僕これでもこの辺りの保安官もやってまして」
「それで余計にか」
「わかります」
「そうなんやな」
「それで星の方が何のご用でしょうか」
 保安官でもある牧童はホイットマンにあらためて尋ねた。
「一体」
「就職に来たんや」
 ホイットマンは何でもないといった声で答えた。
「この世界に来たてて右も左もわからんでな」
「それで、ですか」
「とりあえず仕事がないとな」
「何も出来ないからですね」
「衣食住にお金がないと。お金は多少あるが」 
 財布も持っていてそこにあるのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「やっぱり仕事がないとな」
「衣食住も保証されないですね」
「お金はあってもすぐになくなるしな」
「だからですか」
「とりあえずは牧場で雇ってもらおうと思ってな」
 そう考えてというのだ。
「こっちに来たんや」
「そうですか」
「それで仕事はないか」
「とりあえずこの牧場のオーナーにお話しますね」
「ああ、そうしてくれるか」
「少し待っていて下さい」
 牧童はそう言うと広い牧場、多くの牛や馬がいるその中の果てに見える家に馬で向かってその前で馬から下りてだった。
 家の中に入った、すると暫くして彼を連れて一人の太った蛙人の初老の男が馬に乗ってすっ飛んで来た。
 そしてだ、供に下馬してからホイットマンを見て言った。
「間違いないな」
「星の方ですね」
「まさかここに来られるとは」 
 隣で馬に乗っている牧童に驚きを隠せない顔で答えた。
「夢にもだ」
「思いませんでしたね」
「全くだ」 
 それこそと言うのだった。
「予想していなかった」
「はい、僕もです」
「わしもだ、あの」
 牧童と話してからホイットマンに顔を向けて言ってきた。
「お仕事をお探しですね」
「この辺りで何かないか」
「あの、星の方でしたら」
「それやとか」
「はい、わしはこの牧場のオーナーですが」
 自分のことも話した。
「保安官の元締めがです」
「おらんか」
「今は。それに推挙しますが」
「そうしてくれるか」
「幸い貴方様はガンマンですし」
 このことも言うのだった。
「ですから」
「それでか」
「はい、お家は空き屋でよければです」
「あるか」
「そしてお給料も出ますし」
「そこで服も買えるな」
「お食事はこちらで提供させてもらいます」
 こちらはというのだ。
「なって頂くのですから」
「何か悪いな」
「それもお給料のうちで」
 食事の提供もというのだ。 
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