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オズのヘンリーおじさん

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第三幕その四

「これからね」
「お二人のお家に行って」
「そしてですね」
「お寿司を出しますね」
「食べてもらって」
「誘いをかけますね」
「そうするわ」
 こう言ってでした。
 ドロシーは皆をお二人のお家の前に案内しました、そのお家は緑のエメラルドの都の色の二十世紀初頭のアメリカの村のお家でした。
 そのお家を見てです、トトは言いました。
「本当にね」
「昔からね」
「おじさんとおばさんのお家は変わらないね」
「そうよね」
 ドロシーはトトの言葉に頷きました。
「もうどんなお家も建てて住めるのに」
「もっと大きくて立派なお家にね」
「プール付きのとても大きなね」
「そんなお家にもね」
「住めるのに」
「おじさんとおばさんはね」
 お二人はというのです。
「今もね」
「こうしたお家なのよね」
「二人で住んで」
 そしてというのです。
「それで普通に暮らせるなら」
「これ位でいいって言って」
「こうしたお家なのよね」
「流石にカンサスの頃よりずっといいお家だけれど」
 それでもと言うトトでした。
「今のオズの国の基準から見たら」
「かなり質素ね」
「そうだよね」
「あの」 
 ここで恵梨香が言ってきました。
「昔日本のお家って兎小屋って言われていました」
「そうだったの」
「物凄く小さくて」
 それでというのです。
「そんな風にです」
「言われていたのね」
「そうでしたけれど」
 こうドロシーに言うのでした。
「昔は」
「じゃあこのお家もかしら」
 ドロシーは恵梨香の言葉を受けて思いました。
「小さいから」
「兎小屋ですか」
「少なくとも今のオズの国ではね」
「小さいお家ですか」
「結構以上にね」
「そうだよね」
 またトトが言って来ました。
「このお家は」
「そうよね、おじさんとおばさんはいいっていうけれど」
「質素だって言うとね」
「かなりよね」
「そうだね、まあ扉を開けたらベッドと簡単なキッチンがあるだけの」
 そうしたというのです。
「他には何もないね」
「そうしたお家じゃないわ」
「カンサスにいた頃みたいな」
「二階建てでキッチンとリビングとね」
 ドロシーはトトにお話しました。
「おトイレとバスルーム寝室に書斎もあって」
「お外に物置があってね」
「ガスも水道も電気も通っている」
「そうしたお家だからね」
「パソコンもあるし」
「あの頃とは全く違うよ」
「こうしたお家でもね」
「そうね、それじゃあ」
 ドロシーはあらためて言いました。 
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