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博士の挑戦状

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第百十八話

               第百十八話  平和は求めないが
 タロとライゾウは自身の美学戦おうとも関係のない者を巻き込まないという博士のその言葉を聞いて博士に尋ねた。
「それはわかるけれど」
「かといって博士平和じゃないよな」
「その辺りのならず者すぐに殺すし」
「平和は求めてないよな」
「わしは平和とは無縁じゃ」 
 博士は自ら答えた。
「それはわかるであろう」
「やっぱりね」
「そうだよな」
「マッドサイエンティストは平和を求めぬ」
 こう二匹に告げた。
「だからじゃ」
「それでだね」
「人も殺すな」
「その辺りの小悪党共はな」
 まさにというのだ。
「そうする、しかしな」
「関係がないと巻き込まない」
「それは絶対なんだな」
「だから美学であるからな」
 博士自身のそれであるからだというのだ。
「わしとしてはじゃ」
「何があっても守る」
「平和には興味がなくてもか」
「戦いもするけれどなんだ」
「美学は守るってことか」
「そうじゃ、どんなマッドサイエンティストも美学は守る」
 自身のそれはというのだ。
「わしも然りじゃ、関係のない者はこれからもな」
「巻き込まないでやっていく」
「どんな生きものもか」
「二億人は殺した」
 この宇宙にいて二百億年の間にというのだ。
「しかし関係のない命はな」
「一度もだね」
「巻き込んだことはないんだな」
「それは誓って言う、あとわしは嘘も言わぬな」
「そうだね」
「博士それもしないな」
「こえも美学であるからじゃ」
 博士のというのだ。
「いつも嘘は言わずな」
「真実を言う」
「そうしていくんだな」
「そうじゃ、諸君等にもな」
 今研究所にいる彼等にもというのだ。
「そうしていくぞ」
「うん、じゃあね」
「それで宜しくな」
 二匹も応える、そうして博士と共に飲むが彼等が飲んだのはそれぞれのミルク小田切君が出したものだった。


第百十八話   完


                     2023・11・26 
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