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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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第13章
  13-1

 桜先輩と美玖先輩に会った時、私は

「どうでした? 代表の練習は?」

「うん みんなすごい連中が集まっているからねー 突破力がすごい まぁ 怪我はタブーだから、思い切ってタックルしないせいもあるけどー でもね スピードではキャンキャンズのみんなの方が勝ってるかなー みゅんと朝陽だったら、通用するよ それに、充ちると繭子も1.2年のグループに居たでー、でも、キャンキャンズのみんなのほうがレベル高いよ」

「そーなんだぁー そんなもんなんかぁー」

「うん だから 秋には みんなで選考に参加して 代表になろうよー」

「だけど・・・ さくらと美玖は もう・・・ 居ないんじゃぁー」

「あのね 美玖とも話しているんだけど 高校も一緒に ラグビーやっているとこ 大阪か京都かになるかわからへんけどー 行こうって決めたの だから、秋もやるよ! それに 期末考査が終わったら関西予選があって、9月に全国大会だってー ウチ等 絶対に代表になるから 桜中を背負ってるんやからー」

「へぇー すごぉーい ウチ等も 絶対に頑張ります」

「みゅん ラグビーって 声掛けてくれてありがとう あのまま バスケットってぐずぐずしてても 全国なんて、見えなかった だけど、今は 全国がそこにみえてるんだものー なぁ 美玖」

「そうよ ウチには 全然 縁も無かったんだけどね ウチの両親も大騒ぎよ」

 そして、期末考査が終わって、しばらくしたら、桜・美玖先輩は招集がかかったからと私達の練習には参加してなかった。だけど、初めての土曜日に金剛彩が来た。

 さすが、代表を目指しているだけあって、フォーローアップしてパスワークが正確なのだ。時々、璃々に代わってセンターにも入ったんだけど、泉希とのコンビネーションも璃々とよりスムーズにいっている様子で、それに、フォワードの連中もフォローアップしやすいみたいで、私も回り込んで横に着くのも寄りやすかったのだ。だけど、その時、璃々も考え込んでしまっていると私は感じていた。12時からのメイングラウンドに移ってからの練習でも、それは、顕著に出ていたのだ。

 練習が終わった後も、泉希は金剛彩と話し込んでいて、それを横目で見ている璃々がいたので、私は気になったので、朝陽を引き込んで

「朝陽 どうなん? 率直なとこ 璃々と比べて」

「うーん 璃々とは ずぅーっと やって来てるからなー うまく行ってるよっ 璃々はスピードあるから 仕掛けも速いんだよねー そらぁー相手も戸惑うと思うよ でも、一歩間違うと・・・こっちも付いていく行くのが必死なんよー ボールもらっても すぐ眼の前に相手が迫ってるしー 彩の時は、余裕あるんよー 璃々より 深い位置なんよー だから、彩も色んなことを仕掛けていくし、だから、多分相手のウィングまである程度引き付けてるから、ウチがボールもらった時に色んなことを仕掛けていけるんよねー どっちがいいのかわからんけどー でも、彩はやっぱり代表目指しているだけのことはあるよねー 色んなことができる」

「そーなんよー みゅうみゅんもなぁー 彩のほうがフォローアップ 楽なんやー でもな キャンキャンズはスピードが武器なんやー 泉希と璃々のお陰で速い展開ができるんやー」

「ふふっ みゅんと朝陽の言いたいことは わかってるってー ウチがショック受けたみたいで そやから、フォローしてるんやろぅ? ・・・ 泉希・・・ウチと泉希の間には隙間があるんやー みゅんがその隙間埋めてくれてるけどなー お互い、張り合って余裕無くなってるんやー だから速く速くって やりあってー うまいこと言えんけどなー なんか なー」

 そうなのだ、私は自分達がフォローアップし易いということは、相手もバックアップし易いんだ。私の目指すんは、泉希と璃々のスピードが協力し合って、相手がついてこれんぐらいの早い展開でのラグビーなのよ。

「璃々 ウチ等 仲間・・・やんかー・・・」

 私は、泉希もそんなこと言ってたことあったなぁーと思い出していた。小学校の時、やっぱりどこかで張り合っていたのが、まだ、残ってるんだと感じてた。

 お昼ご飯を食べた後は、いつもの公園でたっ君と待ち合わせをしていて、私は、相談してみようと思っていた。最近は、並んで座る時は、私は脚をひっつけるようにして、たっ君の左手を繋いでいくのが習慣になっていたのだ。

「泉希と璃々がな お互いにしっくりいってへんみたいでなー お互いが張り合っていて、それは感じているみたいやねん みゅうみゅんは仲間やって思ってたんやけどな なぁ 仲間って そんなもんなんやろか?」

「泉希ちゃんとなぁー 僕は、璃々って子 あんまり 知らんねん 小学校の時、5年生の時は、人気あったみたいやけど・・・6年生は島やったやろー だから、ラグビーの時に改めて知ったぐらいでなー でも あの二人は雰囲気は似てるとこあるなぁー ・・・ 女同士って難しいもんなー 二人の間には、みゅうみゅんが居るってことか ボンドみたいなもんや」

「なぁ 真面目に考えてーなぁー 女やからって差別してるやろー ふざけてるんちゃう? みゅうみゅんは悩んでるんやでー」

「そんなことないよ そーだなー あのふたりはみゅうみゅんを介して仲間になったようなもんやろー?」

「う~ん そんなんかなぁー だから さっき ボンドみたいって」

「まぁな あのな 木工のな 樽とか寄木の匠は ボンドとか使わないで、木を組み合わせて、しっかりと崩れないように 水も漏れない それこそ 匠の技やー もちろん みゅうみゅんにそんなことは出来ないと思うよ だけど、少しでも近づくことは出来る みゅうみゅんなら やり方はふたつある ひとつは、みゅうみゅんが真剣に自分の想いをふたりにぶつけて隙間を無くすこと もう、ひとつは、二人が張り合うってことじゃぁなくて、ふたりにしか出来ないことを協力させて、やらせることだよ 張り合うんじゃぁなくて、ふたりにしかできないことを・・・」

「へっ どっちも ウチには 難しいなぁー よーわからんけど、そんなことまで言ったら・・・嫌われそうやしなぁー」

「悩むぐらいなら ヤレ! みゅうみゅんなら出来るさー 泉希ちゃんとの絆も固いんやろー?」

「う~ん ・・・・」

「それとさー みゅうみゅんは、誰にでも、正面からぶつかっていくやろー 璃々も桜も美玖の時もそうやった 向こうが受け入れてくれたから良かったけど・・・ でも、相手に反感買うことだってありうると思うよ 今までは うまく行っていたけど・・・ そうなったら、みゅうみゅんは落ち込むんちゃうやろか? 一応 頭に入れとけよ」

「そんなん 考えたこともなかった ・・・ そん時は・・・どうしょう」

「バカ そん時は僕が居るよ みゅうみゅんの味方だよ いつだって! それに、重光もみゅうみゅんのファンだよ」

「たっ君 こんなとこで・・・可愛い女の子を泣かせるようなこと言って・・・どうするん?」と、握っている手に力を込めていた。だけど、公園だからと・・・悶々として別れてきてしまった。   
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