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金木犀の許嫁

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第三話 お見合いその十二

「これからは五人でこのおお屋敷で過ごすのね」
「あれっ、お姉ちゃんも聞いたの」
「ええ」
 真昼は夜空にその通りだと答えた。
「私もね」
「そうだったのね」
「いいかもね」
 真昼は微笑んでこうも言った。
「その方が」
「真田家の人が来られるのも」
「だってこのお屋敷広いから」
 その為にというのだ。
「四人で暮らすにはね」
「実際にかなり広く感じます」
 白華が言ってきた。
「どうにも」
「やっぱりそうなのね」
「はい、これだけの広さでお庭もですから」
 そちらも広いからだというのだ。
「ですから」
「それでなのね」
「四人ではです」
「広いのね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「いいと思います、ただ真田家は」
「何か一杯っていうけれど」
「あちらのお屋敷は当家より大きくて広いんですよ」
 そうだというのだ。
「それで一杯一杯というのは」
「何か子沢山で」
「それならマンションがあるのでは」
 真昼に首を傾げさせつつ言った。
「そうも思いますが」
「言われてみれば」
「何かあるかも知れないですね」
 白華は直感で思った。
「若しかして」
「何かっていうと」
「いえ、真昼さんにです」
「私になの」
「何かあるか」
「っていうと」
「まあ私がふと思っただけで」
 それでとだ、白華は真昼に話を中断する様にしてこう言った。
「特にです」
「気にすることはないのね」
「忘れて下さってもいいです」
「そうなのね」
「はい、それで父さんと母さんは来月旅立ちますので」
 白華はあらためて話した。
「それからはです」
「私達四人ひょっとしたら五人でなのね」
「このお屋敷でお願います」
「わかったわ、しかしね」
 真昼は白華の言葉に頷きつつだ、ここで白華を見て微笑んで話した。
「白華ちゃんもてるでしょ」
「何でそう言いますか?」
「いや、可愛いから」
「そう言われると嬉しいですが」
 実際に顔を赤くして応えた。
「私はもっと背が高くなりまして」
「それでなの」
「奇麗と言われたいです」
 自分の望みも言うのだった。 
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