祖父への呪い
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第四章
「よくないことばかり感じて見るから」
「それでよね」
「決してよ」
「いいものじゃないわね」
「だからね」
それ故にというのだ。
「内緒にしてるけれど」
「家族と親しい人以外には」
「知られたわね、けれど今はね」
「放っておいたら大変なことになるから」
「動くわ」
こう言ってだった。
美加子はすぐに美波から聞いた亜津子の家に行き事情を話した、すると亜津子そっくりの彼女の母は蒼白になって言った。
「あの、父ですが」
「離婚されたという」
「実は政治家で」
「政治家だったのですか」
「とある野党所属の都議会議員で元は元々弁護士で組合にいました」
「弁護士の組合ですか」
「その中でも特にです」
美加子に首を傾げさせながら話した。
「過激派と縁の深い」
「そうした組合ですか」
「私もよく知らないですが」
それでもというのだ。
「極左と言っていい」
「そうした組合の人ですか」
「北朝鮮とも関係が深くて」
「組合が、ですか」
「父も。それで何でもあの国からお金を貰っていて」
そうしてというのだ。
「何度もあの国に行って」
「あの国は自分を支持する人しか入れないですよね」
「はい、それで何かとです」
「北朝鮮にいいことをですか」
「言っていてかつては帰国事業にも関わっていて」
「確かあれは」
帰国事業と聞いてだ、美加子は顔を顰めさせた。
「あの国の宣伝をそのまま言って」
「地上の楽園とですね」
「生きて帰った人はいないですね」
「父はそれに深く関わっていて拉致もないとです」
「言っていたんですね」
「それがあの国が認めるまで」
まさにその時までというのだ。
「言っていてあの国のすることそして過激派のやることも全て擁護していました」
「そうでしたか」
「過激派の弁護士もして死刑反対を言って」
そうしてというのだ。
「加害者の人権、少年犯罪で連続殺人を犯した人のそれもです」
「やってきたんですか」
「それで色々怪しい人からお金を貰っていて」
北朝鮮以外からもというのだ。
「羽振りはよかったんですが」
「それでもですか」
「女遊びばかりで数多くの性犯罪も犯して」
「それは酷いですね」
美加子も話を聞いて驚き呆れた。
「弁護士さんで、ですか」
「はい、小さな子にも手を出して」
「そこまでなのですか」
「全て弁護士や組合や知り合いの過激派の恫喝で揉み消していました」
「そうだったんですね」
「家でも母や私に暴力ばかり振るっていました」
家の話もしたのだった。
「それで母も私が就職しましたら」
「その時にですね」
「離婚しました」
「そうだったんですね」
「それで縁を切ったのですが」
「法律の縁は切れましても」
美加子はあらためて話した。
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