祖父への呪い

「お母さんもお祖母ちゃんも聞いただけで嫌そうな顔するし」
「そうなるの」
「だからね」
　そうしたものを見ればというのだ。
「いい人じゃなかったみたいよ」
「そうなのね」
「ええ、そう思うわ。逆にお父さんのお祖父ちゃんとお祖母ちゃんは」
　亜津子はまた自分から話した。
「お父さんもよくお話してくれて実家によく行ってね」
「いい人達？」
「凄くね」
　そうだというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「うん、そうよ」
　美波に最後はにこりと笑って話した、これで話は終わった。
　この話をだ、美波は家に帰ると母に話した。すると母は娘に言った。
「間違いなく母方のお祖父さんね」
「その人に原因があるの」
「あの娘のお母さんもお祖母さんも何もなのね」
「お話しないって言ってるわ」
「ご家族にそう言われるなんて相当な人よ」
　こう言うのだった。
「とんでもない人でその人の悪いものがよ」
「お母さん呪いとか因縁って言ってたわね」
「ええ、そうしたものがね」
　まさにというのだ。
「会ってあの娘にもね」
「かかってるの」
「七代祟るとか言うでしょ」
「それって本当なの」
「代々祟られたり呪われるとかね」
「あるの」
「因縁とかね」
　娘に真剣な顔で話していくのだった。
「あるから」
「そうなの」
「すぐにね」
　娘にさらに言った。
「あの娘とご家族にお祓いとかしてもらった方がいいわ」
「そうなの」
「それで行いもあの娘は今はいい娘だから」
「あのままでいいの」
「ええ、行いがよかったら徳がついて」
　そうしてというのだ。
「いい守護霊とかも来るから」
「いいのね」
「そうしてね」
　そしてというのだ。
「やっていくといいわ、こうした時こそ宗教なのよ」
「神様仏様ね」
「だからね」
　それでというのだ。
「本当に今のうちにね」
「亜津子ちゃんもご家族も」
「お祓いとかしてもらった方がいいわ」
「絶対に？」
「ええ、お母さんが言うわ」
　美加子はここで自分からと言った。
「あの娘とご家族にね」
「私が亜津子ちゃんに言うだけじゃ駄目なの」
「これは一家のことだからね、知り合いのしっかりしたお坊さんや神主さんにもお話するし因縁を切るなら」
　母はさらに話した。
「天理教の教会長さんにもね」
「お話をして」
「そうしてね」
　そのうえでというのだ。
「あの娘を何とかするわ」
「助けるのね」
「別に無神論でもなかったら」　
　そうでない限りはというのだ。
「宗教家のお話も聞いてくれるし」
「大丈夫？」
「ええ、まずはお母さんがお話するわ」
「お母さん近所でも霊感強いって有名だしね」
「有名になりたくなってないけれどね」
　母はこのことは口をへの字にさせて答えた。