金木犀の許嫁
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第二話 相手から来たその十一
「野外活動も多いですから」
「そうなのね」
「あと水泳もしますし」
「鍛錬の中で」
「そうしています。安全には気を付けて」
そうしてというのだ。
「行うものです」
「超人になったり妖術を使うものじゃないわね」
「妖術なんて使えないです」
絶対にとだ、白華は答えた。その顔には真剣なものがあった。
「蝦蟇とか呼び寄せたり雲に乗ったり変身したり」
「そんなことはないわよね」
「昔の漫画ですから」
そうしたものはというのだ、事実昭和三十年代まではそうした忍者漫画が多く小説でも織田作之助がそうした忍者漫画を書いている。
「絶対にです」
「出来ないわね」
「そうしたことは全くです」
「忍述じゃないわね」
「そうです、ですから」
それでというのだ。
「現実のものとしてです」
「考えていけばいいわね」
「忍術は」
「そうよね」
「そうですから」
だからだというのだ。
「私も兄さんも」
「妖術は使わなくて」
「あくまで体術で戦いもです」
「しないわね」
「野外活動とかもするということで」
「言うなら自衛隊のレンジャーかしら」
「まだあそこまで凄いことはしていないです」
白華はこのことも断った。
「ああしたことはとても」
「してないのね」
「レンジャーは特別です」
「陸自さんでも凄いのよね」
「地獄の様な訓練を受けて」
まさにそう言っていいまでだという。
「なるものですから」
「あそこまではなのね」
「まだとてもです、それで普通に修行していても」
「やらないのね」
「あそこまでは。ただ陸自さんに入隊して」
そうしてというのだ。
「レンジャーに志願することはです」
「出来るのね」
「そうしたことは」
「そうなのね」
「はい、私も兄さんも自衛隊への入隊は考えていないですが」
「入隊したら志願して」
そしてというのだ。
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