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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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10-7

 大晦日の31日の午後になって、急にじっちゃんから

「実海 沖縄から誠一郎君が出て来ることになってな 夜 紳と会う約束になっているから 実海も一緒にどうだ? 向こうも会いたいと言っているそうだ」

「えぇーッ 誠一郎おじちゃん? 会いたい!」

「そうか 出掛ける用意をして待って居なさい もう直ぐ、紳が戻って来るから、一緒に出掛けなさい 島に居る時も可愛がってもらったそうだからな 懐かしいじゃろーぅ」

 私は、桜の髪留めをして赤いカシミヤセーターに胸にはキャンキャンズのバッジとタイリクウルフのバッジを重ねて付けていたら、ばっちゃんがゴールドの細いネックレスをしてくれて、唇に薄い色のついたリップスティックを塗ってくれていた。

「いい? 飲んだコップに移ってたら ちゃんと 跡を拭くのよ」と、刺繍入りのハンカチも。

 紳おじちゃんが帰って来て、着替えて、一緒に家を出た。私は、チャコールグレーのベルト付きでサイドプリーツのミニとニーハイソックスにショートブーツ、ダウンジャケットでおじちゃんと腕を組んでいた。

「みゅうみゅん そんなで脚 寒くないか?」

「うん だって いっつも こんなんやでー 練習するときも」

「あっ そうか そうだな キャンキャンズだものな」

「そーだよ なぁ こーやって歩いていると 恋人みたいに見えるかなぁー」

「それは無いだろう まぁ 若いお父さんと娘カナ」

 乗り換えて、地下鉄で難波というところ ホテルのロビーで待っていると、誠一郎おじちゃんが、若い人を伴って

「やぁー お待たせ チェックイン 済ませてきた おっ 実海ちゃん ほぉー 3年ぶりかなぁー ずいぶんと大人っぽくなってー 見違えるなぁー でも、相変わらず刈り上げか? ちょっと長くなったカナ」

「こんにちわ おじちゃん なつかしーぃ~」と、私は飛びついて行きそうになるのを紳おじちゃんに腕を押さえられていたのだ。

「こっちは 製造の渡来巌男(とらいいわお)君 一緒にフェアをやるんだ。もう ひとりが急遽来れなくなって 僕が 代打になったんだ」

「えっ トライ? 祝おー?」と、私が反応したんだけど、皆には無視されたみたい。

そして、渡来さんの希望で串カツが食べたいからって、人がぞろぞろと行き交うところを歩いて・・・私は、紳おじちゃんの手を離さなかった。でも、串カツって初めて食べたんだけどおいしくて、特に豚とタマネギのと青唐辛子を好んで食べていた。

「実海ちゃん 中学生になったんだろう? 仲の良い友達が出来たんで、皆と一緒が良いからと公立に行ったんだってなー 絢ちゃんがこぼしていたよ あの子は強情なんだからってー」

「そーなんだよ 絢と一悶着あったんだよ なぁ みゅうみゅん?」と、紳おじちゃんが言っていたけど・・・また、誠一郎おじちゃんが

「この子はお転婆でなぁー 小学校になる前ぐらいだったかなー 絢ちゃんも一人に出来ないからって、会社に連れてきてたんだ。それでな 外で樹に上ったりして遊んでいたんだが、気がつくと姿が見えないんで事務所のみんなで探したよー そーしたらどこに居たと思う? 屋根の上 工場のプラットホームの屋根と冷蔵トラックの屋根を飛んで いったり来たりしてるんだよー」

「へぇー それは、最近 ちょこちょこ見る カラスみたいなもんですネ」と、渡来さんが言ってきたので、私は睨んでいたら

「まだあるんだよ 絢ちゃんが、その時すごく叱ってな、次来た時は、紐で椅子に繋いで勝手にどっか行かないようにしてたんだけど、やっぱり姿が見えなくなって、そーしたら外で椅子を引きずりながら走ってるだぜー みんな びっくりだよー 声も出なかった」

「あははぁー そりゃー 馬車だ いや 犬ぞりかな こりゃーすごいやー 普通そんなこと出来ないよなー 繋がれたままでぇー椅子を引きずって走ってたって? 女の子なんでしょ? あはっはぁー まんがのシーンみたいだ」と、又、あいつが馬鹿にしたように・・

「なんやのー あんたぁー なにが トライやぁー いわおう? ややっこしー名前しやがってー そんなことで笑うんかぁー?」

「これっ みゅうみゅん そんな意味違うよー そらー 誰でも、あきれるさー そーいえば うまい具合に トライ 祝おう なんだな トライ君」

「はぁー そーなんですかね」

「そー言えば 実海ちゃん ラクビーやってるんだってな? やっぱりって感じだよ いいじゃぁないか これからの女子のスポーツだよ」

「そーなの ボール持ってさー 思うように走るんだよー カッコいいモン」

「そーなんだよ やんちゃなみゅうみゅんにはピッタリかもな ずいぶんと学校の先生も、このやんちゃぶりには手を焼いたみたいだから・・・ 男の子だったら、どってこと無いんだけどな」

「でも、やっぱり絢さんに似てますねぇー 美人なとこもそっくりです 雰囲気はちょっと違うけど」と、渡来さんが言って

「そーやねん まわぁまんまーは島一番の美人やー お前 見るとこ見てるのー」

「こらっ みゅうみゅん お前ってー 相手は年上だぞー」と、紳おじちゃんに叱られていた。

「あっ そうか ごめんなさい でも トライって 親しみある響やなぁー」

 その後、私が本場のお好み焼きを食べたいと言ったものだから、皆でお店に

「で いつまで 居るんだい?」

「3っ日までフェアなんです だから4日に帰ります」

「だったら 3日は京都に泊まらないか 飲みに行こう 案内するよ」と、おじちゃん達が話していたので

「なぁ みゅうみゅんも行きたい!」

「今度は ダメ 大人の飲む時間だから」と、紳おじちゃんにダメ出しされて

「わかったぁー 芸者さんの居るとこ行くんでしょー」

「ちがうよー そんな 高いとこ行けないよー」と、紳おじちゃんは打ち消していたけど、私は、その間につまんなくて、からしをいっぱい塗って、お皿に乗せたお好み焼きを渡来さんに素知らぬ顔で差し出していた。だけど、彼はそれを黙って顔を歪めながらも食べていたのだ。それを見ていた誠一郎おじさんは

「ふふっ ちゃんと 絢ちゃんには 報告しておくよ 相変わらず、お転婆で御茶目で元気にやってるよって」

「その お転婆っていうのだけは・・・ねぇ トライさん?」と、腕にすがっていたら

「えっ まぁー そのかわりに 加えるなら・・小悪魔・・・いや、それとなく、可愛げがあるってことっすかねー」と、戸惑っていたのだ。
 
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