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新オズの臆病ライオン

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第七幕その八

「今度はエジプトの神様達と遊んだよ」
「何時聞いても不思議だよ」
 魔法使いは三人のお話を聞いて笑顔で言いました。
「ボタンの旅はね」
「寝ている間に何処かに行っててね」
「起きたら別の場所にいるからね」
「そうだよね」
「こんな不思議なことはね」
 それこそというのです。
「オズの国ならではだよ」
「僕もオズの国の人だからだね」
「こうしたこともあるよ」
「そしてそのボタンとね」
 バド王は笑顔で言いました。
「今回も一緒だから」
「今回も楽しみましょう」
 フラフ王女も言います。
「是非ね」
「いや、お二人は本当にですね」
「いつも仲がいいですね」
「お姉さんと弟さんで」
「王様と王女様で」
「本当にそうですね」
 五人もお二人を見て言います。
「仲がいいことはいいことですね」
「家族の間でも」
「それが第一ですね」
「いつもにこにことお話が出来て遊べる」
「それが一番ですね」
「僕もそう思うよ」
「私もよ」
 姉弟で五人に応えます。
「だからこれからもね」
「仲良く暮らしていくよ」
 こう言うのでした、そしてです。
 メリーランドからお人形の女王とキャンディマンが来ました、この人達もドロシーと抱擁を交えましたが。
 腹ペコタイガーはその後でトトに対してです、こんなことを言いました。
「ドウ一世もだけれど」
「どうしたのかな」
「キャンディマンさんを見てもね」
 そうしてもというのです。
「食べたくなるよ」
「君はそうなるよね」
「うん、どうしてもね」 
 トトに舌なめずりしつつ言うのでした。
「そう思ってしまうよ」
「食べものだからね」
「食べられるなら、それも美味しくなら」
 それならというのです。
「本当にね」
「食べたくなるね」
「そうなるよ」
 こう言うのでした。
「僕に理性と優しさや思いやりがあってね」
「そうした気持ちを抑えているね」
「良心があるからね」
 だからだというのです。
「食べないよ」
「そうするね」
「いつもね」
「キャンディなら出すわよ」
 お人形の女王が笑顔で言ってきました。
「幾らでもね」
「そうしてくれるんだ」
「ええ、お菓子いっぱい持って来たから」
「私が大好きだからね」
 キャンディマンも言ってきました。
「それでだよ」
「持って来てくれたんだ」
「そうなんだ」 
 こう腹ペコタイガーにお話します。 
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