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新オズの臆病ライオン

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第七幕その三

「自分ではどうしてもという時はね」
「賽子とかで決めることね」
「ルーレットやくじでもね」
 こうしたものでもというのです。
「いいんだよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのです。
「ドロシーの決断の仕方はいいよ」
「知恵のある決め方だよ」
 かかしも言います、この人と樵は食べていません。
「これもまたね」
「ドロシーは決断が早いけれどね」
 それでもと言う樵でした。
「時にはそうしたことで判断するね」
「実際何かしらの決断を下さないとね」
 臆病ライオンはこう言いました。
「何も動かないからね」
「ええ、だからね」
 ドロシーはそれでと答えました。
「私もね」
「そうしたものを使ってだね」
「決断をしているの」
「今回もそうしたんだね」
「そうなの、賽は投げられたってね」
「言うね」
「これで決めた人もいたわね」
 ドロシーの他にもです。
「そうだったわね」
「カエサルさんだね」
 臆病ライオンはすぐに答えました。
「あの面白い人だね」
「ええ、オズの国はお金がないから借金する必要がないとか」
「そんなこと言いながらね」
「本を読んで服に凝ってるね」
「そうよね」
「しかもね」
 魔法使いはカエサルさんについてこう言いました。
「この世界ではちゃんと髪の毛も増えるって」
「そうそう、言ってるね」
 臆病ライオンは魔法使いに応えました。
「髪の毛をカールにもしてるし」
「お洒落でね」
「何かあの人随分とね」
「髪の毛にこだわるね」
「それでオズの国に来てすぐに」 
 まさにというのです。
「毛生え薬を使って」
「そしてね」
「髪の毛を増やして」
「凄く喜んでいたね」
「髪の毛のことを気にするって珍しいと思うわ」 
 ドロシーはどうもというお顔で言いました。
「どうもね」
「そうだよね」
「けれど」
 それがというのです。
「あの人はね」
「オズの国に来て真っ先にね」
「髪の毛を増やして」
「もうこれで最高だって」
「そう言ってね」
「今は楽しくね」
 そのうえでというのです。
「暮らしているね」
「そうしているね」
「私は別になくてもいいよ」
 髪の毛はとです、魔法使いは言いました。
「別にね」
「魔法使いさんはそうだね」
「私は私だからね」
 臆病ライオンにお話しました。
「だからね」
「それでだね」
「髪の毛はね」
「気にしないね」
「そうだよ、ただカエサルさんは素敵な人だよ」 
 この人ご自身はというのです。 
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