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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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8-7

 次の日の朝、泉希ちゃんに断わって、1本早いバスで登校して、職員室に行くと、国守先生が寄って来て、小声で

「美術教室に行きなさい 紅林先生が待っている 僕もあとから行く」

 教室に入ると先生は窓の外を見ていて、私に振り返りもしないで

「おはよう 見てみな 前はグラウンドの横の空地が雑草だらけで見苦しかった だけど、ひとりの生徒がきっかけで、今は ちゃんと整備されていて素晴らしいよ それに、女子生徒の活気のある声が聞こえてきて元気がもらえるって 昨日 校長が言っていた」

「・・・ あのー・・」

「すべての 始まりは みゅうみゅんからだよ そして、今は ついに7人か?」

「うん 美玖先輩・・・ 美玖が一緒にやりたいって!」

「そうか 昨日の職員会議は 始まった時は、色んな意見があったが 校長の一言でな あっけなく終わった。あのな 校長が言うには (何を君達は揉めているんだ? ひとつのボールのもとに集まった仲間達が、偶然、唇を切ったかも知れないが、それがもとでもっと結束を強めた。そして、今まで不登校気味だった生徒も登校する気にさせたんだよ 何に対しての処分が必要かねー? 怪我をさせた生徒も充分反省しているようだが 今まで、不登校の生徒に対して何にもできなかった学校側こそ大いに反省すべきじゃぁなのかね) と みんなも反論出来なくて、処分もなんも無しってことになったんだ」

「先生 ありがとうございます 色々とかばってくれたんでしょ?」

 その時、国守先生が入って来て

「やぁ とりあえず ホームルームの時間は任せてきた 先生 昨日の会議のこと 話してくださったんですか?」

「えぇ 校長の熱弁までね」

「ふふっ 熱弁かぁー 僕も 校長があんな風に見ているなんて 思ってもみなかった。ここに水島さんを呼んだのは 他の先生に聞かれたら、悪口ぽく思われるかもしれないから・・・ 実は、川越先生の (あの生徒は完全に学校内で暴力をふるったんですよ 事情はともあれ これは、事実です それに、あの生徒は 入学式の時も男子生徒がまわりに居るのにスカートをパタパタさせて誘惑してるつもりですかね そして、階段なんかでも飛び降りたりしているってことも聞きますしね 朝でも、校門から校舎まで全力疾走ですよー 生徒がいっぱい居るのにー 誰かにぶつかったりしたら怪我しますよ あの空地のこともそうです 許可も無しに、勝手に草むしりを始めたかと思ったら走り回っていて とにかく 要注意人物です 何らかの処分が必要と思います) って意見から始まったんだ。水島さん・・よっぽど 睨まれてるぞ そのつもりでな」

「はぁー 見ようによっては 当たってますネ だって こんな長いスカート穿いたのって初めてで うっとおしかったんだもの 誘惑だなんてつもりは・・ 階段飛び降りるのも先生に注意されてからやめました。校門から走っているのも 相手をかわす練習のつもりでー 誰にもぶつからないように・・・ でも、それも、やめます」

「そうだな 僕が水島さんのことを (何にでも一生懸命に取り組んで、真面目で、誰にでも優しく接する生徒で わざと暴力をふるうような子ではありません)と言っていたら、紅林先生も (一人っきりでも空地の草むしりから始めて、黙々と そして、仲間を増やしていってー 情熱があるんです 空地の件は直ぐに許可は取ってあるはずです だから、彼女にはラクビーにかける想いがあるんです だから、短い間なのに仲間が増えているんです その仲間をとっても大切に思っているんです) とか援護してくれたんだ」

「先生 ありがとうございました」

「援護してくれたのは 紅林先生だけじゃぁないんだぞ 門田先生、岩城先生もな (一人の女子生徒がもくもくとグラウンド整備から始めて、彼女の熱意に魅かれて瞬く間に仲間を増やした。それも、わが校には無いスポーツをやろうと言っている。陸上をやっていれば、おそらく彼女はトップクラスでしょう でも、彼女には信念があるんです。仲間とやりたいって 素晴らしいことだと思いますよ。だから、彼女に同調した4人も同じです。そして、怪我した者も恨むどころか、逆に一緒にやりたいと言っているらしいんです。彼女の仲間を想う気持ちがそうさせたんでしょう。だから、同じ、運動部として応援すべきだと思うんですよ) ってさー 痛快だったなぁー そして、それまで、君の仲間達が書いた嘆願書を読んでいた校長が (その通りだよ わが校はとにかく運動部の女子は精細に欠けるようだ せっかく、燃えている女子生徒達が居るんだ 我々も見守ってやろうじゃぁ無いか 彼女達を・・・ここにも、書いてある 水島さんは私達を結び付けてくれて仲間を大切にする子なんです 一方的に乱暴するような子だったら、私達も集まってません 今回のことは私達の連帯責任です ってな 処罰よりも先に生徒達を伸ばしていくことを考えるのが教育なんじゃぁないだろうか) だってさ その時、それまで叫ぶようにしてた奴も下を向いて黙り込んでしまったよ それに、奴はバレーボール部の顧問もやっているんだが部員も少なくなって、特に、女子がな 休部みたいなもんだよ 顔も上げれなかったんだろう 僕は、紅林先生と眼を合わせて お互い ヤッターって思ったんだな」

「国守先生 紅林先生 本当にありがとうございました ご恩忘れません」と、頭を下げている私の肩に手を置いて

「みゅん 校長も いや 学校中が注目しているんだ これからも、頑張って行こうな! 良い仲間も居るじゃぁないか みゅうみゅんは生徒だけじゃぁ無くて、先生達の連帯も生んだんだ 今回のことで、国守先生、門田先生、岩城先生とで連帯感が生まれたよ みゅうみゅんは不思議な子だよー それに、今まで、校長先生があんなに熱い人だとは思わなかった、今まではなんの変哲も無いって思っていたんだが それに、 保健体育の鍵屋詩織《かぎやしおり》先生 知ってるだろう? 彼女は、校長がしゃべった後、机の下で拍手していたんだよ きっと、君達のことを応援してるんだよ そのうち、国守先生も きっと 練習手伝ってくれるよ」

「おい!  おい いつ そんなー」

「いや 練習台が必要なんですよ 彼女達には 僕 ひとりじゃぁ 手に負えなくて 柔道をやっていた先生ならなんとでもなるでしょ?

「うっ もう 何年も前だよ でもウチのクラスには4人も居るしなー」

 その後、私が教室に戻ると、私を見るなり仲間の3人が寄ってきてくれて、クラスの皆も拍手してくれていた。そして、その日の放課後、私達キャンキャンズのグラウンドには、美玖の姿も・・・7人が揃っていた。

「みんな ありがとう ウチの為に嘆願書まで出してくれて」と、お礼を言うと

「そんなん 当たり前やー 一人っきりやないでー ウチ等 仲間やんかー そうだ ウチ等 こんな時 掛け声無いよね どう? 行くぞ!キャンキャンズ おーっ ってのは?」と、璃々が言ってきて

「うーん 普通? ・・・ 跳んで 跳ねる(とんで はねる)ぞー キャンキャンズ おー っのは?」と、私が言うと 良い 良い と、あっさり決まってしまった。

「跳んで! 跳ねるぞー キャンキャンズ」と、璃々の声に合わせて

「オー」と、皆が拳を突きあげて 結束を誓ったのだ。   
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