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新オズの臆病ライオン

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第五幕その十二

「オズマ姫の宮殿も立派だけれど」
「とてもね」
「他の王様の宮殿もね」
「立派だね」
「天空の天帝さんの宮殿だってね」
「素晴らしいね」
「中国のそれもね」 
 そちらもというのです。
「巨大でかつ壮麗で」
「見事だね」
「そうした宮殿を築くことも」
「昔は大変だったんだね」
「今よりずっとね」
 そうだったというのです。
「空中庭園と同じで」
「そうだったんだね」
「けれど技術が進歩して」 
 そうなってというのです。
「人手も増えてね」
「築ける様になったんだね」
「楽にね」
「建築も色々あるんだ」
「そうだよ、あとオズマ姫は建築は必要なだけするけれど」
「それが何か?」
「うん、外の世界ではあまりね」
 ここで魔法使いは微妙なお顔になって言いました。
「建築をすることはよくなかったんだ」
「あっ、人手を使うから」
「外の世界ではお金もね」
 こちらもというのです。
「資源だってね」
「それでなんだ」
「あまりね」
「建築はなんだ」
「みだりにすることは」
 これはというのです。
「本当にね」
「よくなかったんだね」
「そうだったんだ」
「成程ね」
「だから」
 魔法使いはさらに言いました。
「オズマ姫が建築に夢中でないことはね」
「いいことだね」
「今のオズの国では何でもないことでも」
「建築が好きでないのなら」
「それ自体がとてもいいことだよ」
 臆病ライオンに微笑んでお話しました。
「責任ある立場としてね」
「そうなんだね」
「うん、立派な宮殿は最低限あればね」
「それでいいね」
「そうだよ、無駄にあってもね」
 そうであってもというのです。
「よくないんだ、そうしたことも頭に入れて」
「空中庭園にもだね」
「行こうね」
「うん、神塔のね」
 臆病ライオンも頷きました、そうしてでした。
 皆で会議の準備を進めていきます、皆はその作業も楽しくしていきました。 
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