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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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第8章
  8-1

 休みが明けて、最初の登校日、お昼休みに私は、描いた絵とビラの見本を持って紅林先生のもとを訪ねていた。

「先生 これっ」と、絵を差し出して

「この前は 急いで描いたからね」

「あっ そうなんか」と、私の渡した絵を見ていて しばらく 見ていた。

「良いなぁー 校舎も正確に描けているし このサッカー少年たちも それぞれの表情が感じとれて、躍動感もある まるで、声も聞こえてくるようだよー」

「うん のんびりと 描いていたんだぁー みゅうみゅんは 割と 絵を描くのって 好きなんかもね」

「そうか この絵 どこかのコンクールに出しても いいか?」

「ふ~ん まぁ 好きにして あのさー それより キャンキャンズのビラ 作ったんよー 見て! これを配ろうと思うんだけどー」

「ふむー 出来は いいなぁー だけど、どこで配るんだい?」

「そらーぁ 下校時に 校門とかでさー」

「ダメだょ そんなの禁止されている それに、これは許可になんないと思うよ」

「やっぱり そうなんかぁー ダメなん?」

「うん ダメだろう?」

「なぁ 掲示板とかじゃぁー」

「そうだなぁー 教務に聞いてみるけど・・・ キャンキャンズは正式な部として認められている訳じゃぁないから 難しいかもなー まぁ 何とか 方法を考えるよー 君達が何とかメンバーを増やしたいのは わかっているからー ・・・ 今日も 練習するだろう?」

「うん するよ!」

「そう 僕からの差し入れするからね」

「へぇー 何 何? ケーキ?」

「違う もっと 大きなものだ」

 それ以上、先生は答えてくれなかった。

 6時限の授業が終わって、クラスの時間を終えて、私は2年生の教室に急いだ。栞奈にも付いてきてもらっていた。もう、半分近く居なかったけど、颯君を掴まえて

「ねぇ 三津浦さんは?」

「あぁ さっき 帰ったと思うよ なんだ 誘うのか?」

「うん 声かけてみようと思って」

「そうか まだ 靴箱あたりに居るんちゃうかー」

「ねぇ どんな人?」

「背が高いし、髪の毛が短くて ポチャリしてるから すぐ わかるよ」

 私は、訳もなく颯君の背中をポンとして、靴箱のところに・・・居た 多分 あの人

「あのぅー 三津浦先輩ですか?」と、私は恐る恐る声を掛けた。

「そうよ なにか? あなた 誰?」

「1年の水島実海です」と、栞奈と一緒に頭を下げていた。

「それで 何なの?」割と、低い声なのだ。威圧感がすご~い。それでも、めげずに

「あのー あの ウチ等と一緒にラグビーやってください」と、ビラを差し出しながら、もう、一度頭を下げていた。いきなり、目的を言っていたのだ。

「ちょっとー なんなの?」と、そのビラを見ながら

「あんたぁー ウチがバスケット部だってこと知ってて 言ってるの?」

「はい 2年生の人から聞いて バスケットでは活躍されているとか」

「そう じゃぁ ウチがなんで 休部しているのかも うすうす 聞いているんでしょ だから、バスケットは もう ダメだからって 誘ってきたのネ」

「違います! うー ・・・ でも それもあるかなー でも ウチ等 一緒にやってくれる仲間を集めているんです こんなに夢中になれるスポーツって無いなって だから、スポーツに夢中なれる人なら・・・って」

「ふっ そうよ ウチはバスケットが好き でも 瞬発力が無くなってきているのが自分でもわかったから 食べるの我慢出来ないのよ 自制出来なくなって そのうち、チームのみんなの眼が・・・怖くなってネ 新しい子も入って来るしと思って 邪魔には思われたくないもん で、練習を休みがちになったのよ ・・・ あなた達に言っても そんな気持ち、わからないだろうけどネ だけど、又、戻れるように頑張ってるのよ チームのみんなも待ってるって 言ってくれてるし だから あなた達には興味ないわ わかった?」

「ハイ! わかりました! 先輩がバスケットと同じようにスポーツにかける想いが バスケットみたいに前にパスは出来ないけど、ラグビーはボールを持ったまま横とか前後に自分思うままに走れるんです、そして、止められたら、パスをして仲間に次を託す 素晴らしいと思いません?」

「そうね 素晴らしいかもわからないけど ウチには 出来ないわ 速く走れないものー もう・・・」

「あのーぅ ウチは みんなより走るのも遅いんです 今のメンバーはたまたまみんな走るの速くってー だけど、みんなは、それぞれ役割があるんだからって ウチのことも盛り上げてくれて支えてくれています だから、ウチ等は先輩みたいに、バスケットで鍛えた足腰の人 強力なメンバーになって欲しいんです だから、あえてお誘いにきたんです」と、栞奈が口を開いていた。

「・・・あなた達の言いたいことはわかったわ もう いい? 私は、バスケットが好きなの わかった?」と、帰って行ったのだ。

 そして、練習でみんなが揃った時、紅林先生が、奇妙なものを持って現れた。

「なに? それ?」

「あぁ タックル用のバッグだ そろそろ タックルの練習もしとかんとな!」

「はっ それにぶつかっていくの?」

「そうだよ 僕が構えているから みゅうみゅん ゆっくりと肩でぶつかってきてみな 首は縮めるようにな」

「へぇー」と、私は・・・恐る恐る先生の構えるバッグに寄って行くと

「もっと 低く 腰を落として 背中は真直ぐに、頭は下げるなよ! 最後はグッと伸ばすようにしないと、相手を倒せないぞ ぶつかる時には、相手の脚に両手をまわして手前に引きつけるようにな」

 先生は、私の肩を下げたり、背中を押したりして、タックルの時の姿勢を皆に教えていた。

「まぁ この練習の時は、必ず僕が立ち会うけどな でも、そのうち みんなにも受け身になってもらうよ でないと タックルされるほうのことも練習しとかないとな それと、ボールを買ってきた ドロップキックの練習もしなければと思ってな」

「へぇー いろんなことしなきゃーなんないんだね」

「そりゃー 試合するってなると ボール持って走るだけじゃぁないぞー」 
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