わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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7-9
次の日、私は画板に紙を挟んで、学校に来ていた。先生に私が真剣に書いた絵を見てもらうつもりしていた。それに、サッカー部が午前中、練習するって聞いていたので・・たっ君の姿も見たかったし。
階段状になっていてるグラウンドの横は見通しが良いんだけど、校舎を背にすることになるので、私はその反対側に少し斜めからと、陣取って描き始めていた。鉛筆で書いて、家に帰ってから薄く絵具で仕上げようと思っていたのだ。校舎をバックにサッカーの練習風景。
練習の途中、私に気がついてから、チラチラとこっちを見ているのわかったので、そのタイミングで手を振ったんだけど、無視された。だけど、重光君がこっちを見た時には、手を振り返してくれていたんだ。
それから、練習が終わったのか、3人組が私のもとに寄って来て
「みゅうみゅん 何 してんのん?」重光君だ。
「あぁ 君達の 練習ぶりを 視察していた」
「へっ わぁー 上手 すごいなぁー 見ろよ これっ」と、颯君が私の絵を指さして・・
「あぁ みゅうみゅんは 絵が上手なんだよ 普段 あんまり 描かないけどなー」と、たっ君が言うと
「ふうー みゅうみゅんは 何にでも 才能あふれてるのぉー」重光君が感心していると
「才能じゃぁないよ 努力だよ 絵も一生懸命、見たものを描くんだよ」
「はっ やっぱり 天才の言うことはちゃうのー」
「もう ええやん あのさー 君達 2年生で ラグビーやってくれそうな人 知らんやろかー? ウチ等 もっと メンバー増やさんとー」
「ほぉ そーやのー 5人だけじゃぁな 遊んでるみたいなもんやしのー」
「ちゃう! ウチ等 遊んでへんでー」
「わかってるってー そんな 怒るなよー そのふてくされたような顔も可愛いなぁー そーだな ・・・ 颯のクラスの三津浦桜子はどうだろう?」
「うーん どうだろな! 確かに、今、休部してるみたいだけど・・」
「その 三津浦さんって?」
「うん バスケット部で1年の時からレギュラーでな だけど秋から 急に太りだして 思う様に動けなくなったんだろうな 自分から練習も休むようになってしまったらしい 聞いた話だけど 確かに、弁当も大きいんだ もう、我慢出来ないんだろうな」
「へぇー へぇー その人 まだ 運動やる気あるんかなー バスケットやってたんやったら 背も高いんやろ?」
「あぁ クラスでは一番 高いよ 肩幅も割とごっつい」
「わぁー ラグビー向きヤン」
「みゅうみゅん そんなの 勝手に決めつけるなよー 本人は心が折れてるんだぞー 変に 誘ったりしたら、傷つくかも知れん」と、たっ君は水を刺すというか、忠告のつもりなのか
「そんなん 気にしてたら 勧誘なんか できひんヤン でも、ラグビーで新しい世界が広がるかもしれんねんでー」
「みゅうみゅんは いつも 前しか向いてないねんなー お前のいいところだけどな」
「そうや みゅうみゅんは たっ君と前に進むんや」
「おーおー 熱いのぉー 僕等は先に帰るわー 仲良く やりーな」
「いや 僕も 帰る 待てよー 颯って」
なんだよー あいつ と思っていたら、たっ君は着替えて、また、顔を見せてきてくれた。だまって、横に座っていた。
「なぁ 喉乾いてへん? ウチ お茶持ってきてるからー」と、水筒からコップに注いで、たっ君に・・・それを、一口 飲み込んで
「わっ 何だ? これっ 変な味!」
「ふっ ハト麦茶 みゃうみゅんはいつもこれっ! 美容にええんやでー」と、そのコップを取り上げて、飲み干していた。
「・・・みゅうみゅんから・・・美容って言葉 出て来るなんてなー」
「なんやねん ウチかって 美容には気ぃー使ってるんやでー たっ君の為にもなっ」
「そうか そうか でも それ以上 可愛くならんでも ええよー」
「たっ君・・・ あっ そうだ おにぎり2つ 持ってきたから 1ッ個 食べてーぇ お腹 すいたやろー?」と、私はバッグから取り出して、たっ君に差し出していた。
「なぁ 去年みたいに、最終日 練習ないんやろー? デート! みゅうみゅんは 京都タワーとか清水寺のお土産屋さんが並んでいるとこ行きたい!」
「はぁー 京都タワー ねぇー」
「そうやー みゅうみゅんにとっては 修学旅行みたいに・・ たっ君もこんなに可愛い女の子 連れて歩くのって 楽しいやろー? 思いっきり可愛い恰好していくからさー」
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