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X ーthe another storyー

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第四十六話 結想その六

「いいな」
「ああ、どのみちこの怪我やと戦えんしな」
「そうしてくれ」
「そうさせえもらうわ」
「助かってよかったわ、それに」
 嵐はここでだった。
 空汰に寄り添ってだ、そのうえで言った。
「私も咄嗟に出たけれど」
「それでもか」
「それで気持ちがわかったから」
 こう神威に言うのだった。
「もう彼と一緒に」
「いるのか」
「そうするわ」
「あっ、嬢ちゃんにわいの気持ちが伝わったか」
 空汰はそのことを今自分の耳で聞いて笑顔になった。
「それは何よりやな」
「よかったですね」
 征一狼も笑顔で応えた。
「空汰君も」
「はい、ほんまに」
「それでは今は嵐さんに一緒にいてもらって」
「怪我の回復に専念します」
「そうして下さいね」
「はい、ただたこ焼きですけど」
 空汰はここで約束していたこの食べものの話をした。
「それは」
「それなら私が買ってきます」
 護刃が申し出た。
「そうしてきます」
「そうしてくれるかいな」
「お店の名前と場所を教えてくれたら」
 それならというのだ。
「買ってきます」
「そうしてくれるんやな」
「ですからご心配なく」
 笑顔でだ、空汰に言うのだった。
「たこ焼きのことは」
「ほな頼むな」
「はい、皆で食べましょう」
「そうしよか」
「それで部屋は用意しているから」
 玳透も言ってきた。
「クランプ学園の洋館の方に」
「それでやな」
「暫くは学校も休んで」
 そうもしてというのだ。
「治療の方に専念するということで」
「ほなそういうことで」
「後は任せて」
 嵐も言ってきた。
「私達がいるから」
「今は怪我の回復に専念して」
「そうするな」
 空汰も約束した。
「ほなな」
「ええ、それじゃあ」
「大人しゅうするわ」
 こう言ってだった。
 空汰は手当てを受けてそれからクランプ学園内の自分達が今暮らしている洋館の一室で治療に専念することにした。
 そこでだ、嵐からたこ焼きを差し出されて笑顔で言った。
「そうそう、このお店のな」
「たこ焼きね」
「そやねん」
 箱の店の名前を観て言った。
「ここのがや」
「美味しいのね」
「いや、護刃ちゃん買ってきてくれてんな」
「皆もう食べてるわ」
 嵐はベッドの上で上体を上げている空汰に席に座って答えた。 
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