| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十六話 結想その五

「こちらもだ」
「二人ね」
「そうなるがいいか」
「仕方ないわ。彼に何かあったら」
 剣を手にしたままだ、嵐は答えた。
「その方が嫌だから」
「だからか」
「貴方達が二人になっても」
 それでもというのだ。
「私は戦うわ」
「それ言うたらわいもや」
 空汰もその嵐の横で言って来た。
「まだや」
「戦うか」
「ああ、そうさせてもらうで」
 こう言うのだった、そしてだった。
 二人で戦おうとする、だがここで不意にだった。
 嵐は空汰の左肩を見てそのうえで言った。
「貴方肩が」
「あっ、何時の間に」
 空汰も言われて気付いた、見れば怪我をしていて血が流れている。
「やられたんや」
「その怪我では戦っては駄目よ」
 嵐は真剣な顔で告げた。
「だから」
「下がるべきか」
「ここはね」
「なら戦いは中断だな」
 封真も空汰の傷を見て言った。
「それにその傷なら暫くは戦えないな」
「それやとええんか」
「俺は一人でも天の龍で戦える者を減らしてくれと言われていた」
 このことをここで言うのだった。
「それが果たせたのならな」
「いいか」
「怪我は手当てしてくれ」
 空汰に穏やかな顔で告げもした。
「そうしてくれ」
「わいを殺すつもりもなかったしか」
「そうもならなくてよかった」 
 封真は微笑んでこうも言った。
「だからな」
「それでか」
「これでだ」
 最早と言うのだった。
「いい、だからな」
「去るんか」
「そうさせてもらう、ではな」
「ああ、またな」
 空汰も言葉を返した、そうしてだった。
 封真は戦場を後にし後には空汰と嵐が残った、嵐は二人だけになると彼に対してあらためて声をかけた。
「それじゃあ」
「ああ、相手も帰ったし」
「これでね」
「わい等も帰るか。しかし」
 ここで空汰は顔を歪めて言った。
「結構な」
「痛いの」
「骨までやられたか」  
 痛みを堪える顔でこうも言った。
「これは」
「ならね」
「尚更やな」
「怪我を治す為にも」
「すぐに戻ろうか」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 二人も帰った、そして空汰を見てだった。神威はこう言った。
「生きていればだ」
「それでええか」
「怪我の治療に専念してくれ」
 空汰本人に対して告げた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧