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新オズの臆病ライオン

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第三幕その十二

「そうする為のよ」
「力だから」
「これからもね」
「そうしていくよ、しかし僕に知恵があるなんて」
 臆病ライオンは自分でこのことに驚きつつ言いました、
「思いもしなかったよ」
「いや、ライオンは元々頭がいいよ」
 オズの国きっての知恵者であるかかしが言ってきました。
「君もライオンだしね」
「しかも君はあの時ボタンを迎えに行こうって自分で動いたね」
 樵も言ってきました。
「その勇気を出したから尚更だよ」
「そう、勇気を出せば知恵も出る」
 魔法使いも言います。
「そうしたものだからね」
「実際何かしようって前向きになったら知恵出るね」
「そうだよね」 
 トトは腹ペコタイガーの言葉に頷きました。
「言われてみれば」
「そうなるよね」
「つまり知恵は勇気によって導き出されてるってこと?」
 ボタンは皆のお話を聞いて思いました。
「要するに」
「ええ、そうね」
 ドロシーはボタンにも応えました。
「そうなるわね」
「やっぱりそうなるんだ」
「前向きになれば」
 その時はというのです。
「何かといいものが出るのよ」
「知恵だってそうなんだ」
「やろうって思えばどんどん頭と身体が動いて」 
 そうなってというのです。
「神様もそんな人に何かと授けてくれるから」
「知恵が出るんだ」
「そして他のものもね」
「そうなんだね」
「君もそうだよ」
「誰かを助けようというのが勇気ならね」
 それならというのです。
「君はその勇気を出した」
「それで知恵も出たんだ」
「だからボタンをすぐに助けてここに戻せた」
「そうだと思うよ」
「そうなんだね、それならね」
 臆病ライオンは二人の言葉を聞いて言いました。
「これからもね、怖いと思っても」
「頑張ってね」
「勇気を出していこうね」
「君は自分をいつも臆病だと思っていても」
「実は違うんだ」 
 かかしと樵はこのことをよく知っています、何故ならドロシーと会ってからずっと彼とお友達だからです。
「君はオズの国一の勇者だよ」
「誰かの為に動ける」
「そして助けられてね」
「弱い相手を慈しむ」
「そうした心を持っているからね」
「君程の勇気の持ち主はいないよ」
「そう言ってくれて嬉しいよ、それならね」
 二人の言葉を聞いて言うのでした。
「これからも怖くても」
「頑張るね」
「そうしていくね」
「そうしていく様に努力するよ」
 こう二人に答えます、そして動物園まで連れて帰ったボタンを背中に乗せて楽しく動物園の中を巡るのでした。 
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