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夢幻水滸伝

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第三百二十二話 二人の星の者その十三

「何があったかな」
「お聞きしたいですか」
「今から」
「頼めるか」
 こう言うのだった。
「話を聞かせることを」
「それではです」
「今からお話します」
「よろしゅうな、ほな夜にや」
 その時間にというのだ。
「酒でも飲みながらな」
「そうしながらですね」
「お話させてもらってええですね」
「そや、それでや」
 トウェインはさらに言った。
「話してくれ」
「ではです」
「その様に」
「それとな」  
「それと?」
「それとといいますと」
「堅苦しく話すことないで」
 二人に笑ってこうも言った。
「別にな」
「そうですか」
「特にですか」
「そや、色々あったと思うけどな」
 それでもというのだ。
「明るくな」
「話していくことですね」
「その時は」
「話したくないこともあるやろ」
 そうしたこともいうのだ。
「トラウマになってる様な」
「そういうのは別に」
「ないですけど」
 二人はそれはと返した。
「別に」
「これといって」
「そうか、まあわいもな」
 トウェイン自身もというのだ。
「そこまでのことはな」
「ないですか」
「この世界では」
「ああ、人は誰でも持ってるやろけどな」
 トラウマ、それをというのだ。
「そやけどこっちの世界ではな」
「特にですね」
「そこまでのことはあらへんかったですか」
「苦労はしたけどな」
 そう言っていい経験はというのだ。
「トラウマまではな」
「持ってへんですか」
「そうなんですか」
「幸いそこまでのことはなかった」
 そうだったというのだ。
「わいはな」
「それは何よりですね」
「ほんまに」
 二人もその話を聞いて頷いた。
「やっぱりです」
「トラウマはない方がええです」
「持ったら辛いです」
「しかも治りにくいです」
「心の傷は身体の傷より治りにくい」
 トウェインはこの言葉は真顔で出した。
「そやからな」
「それで、です」
「最初からないに越したことはないです」
「そやな、それで自分達はどうやったら」
「この世界ではそこまでのことは」
「なかったです」 
 二人はそれぞれ答えた。
「有り難いことに」
「そうです」
「それは何よりやな、ほなな」
 トウェインは二人の返答を聞き微笑んで応えた。
「今からな」
「はい、お話させて頂きます」
「これより」
 二人はトウェインの言葉に頷き自分達の間でじゃんけんをした、そしてその後でヘミングウェーふが言った。
「ではまずは」
「自分がやな」
「お話させて頂きます」
「ほな頼むで」
「それでは」
 ヘミングウェーはトウェインの言葉に頷いた、そしてだった。
 口を開いた、それから話すのだった。


第三百二十二話   完


                   2023・9・15 
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