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X ーthe another storyー

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第四十三話 弔後その二

「俺もな」
「そういうことだな」
「小鳥を殺さずに済んだんだ」
 その小鳥も見て話した。
「それならだ」
「俺もか」
「ああ、お前をこちらに連れて行くが」 
 そう考えているがというのだ。
「そんなことは考えていない」
「容赦しなくてもだな」
「そうだ、戦いが終わればな」 
 その時はというのだ。
「まただ」
「一緒にだな」
「三人で暮らそう」
「そうね」
 小鳥は兄のその言葉に頷いた。
「そうしよう」
「ああ、また一緒になれたんだしな」
「それじゃあね。ただ」
 小鳥はここで兄を見て言った。
「お兄ちゃんも他の地の龍の人達も」
「何だ?」
「人間を滅ぼしたいの?」
 兄に対して問うた。
「そうしたいの?」
「そのことは」
「あまりね」
 どうにもと言うのだった。
「そうは見えないから」
「そう言われるとな」
 封真も否定しない顔と声だった。
「俺はそうしたくない」
「やっぱりそうなの」
「ああ、この世界を救う為でもだ」
 封真は妹に真面目な顔で答えた。
「例えばこの学校にいる皆、俺の友達も大勢いるんだ」
「その人達を滅ぼすなんて」
「考えられない」
 とてもという言葉だった。
「俺はな、そして」
「他の地の龍の人達もなのね」
「星史郎さんもそんなことは考えていなかった」
 去った彼もというのだ。
「とてもな」
「じゃあ地の龍の人達は」
「人間を滅ぼすというが」
「考えられないのね」
「考えていないどころかな」
「それでどうして人間を滅ぼすんだ」
 神威はいささか怪訝な顔になって述べた。
「世界を救うにしても人間もだ」
「世界の一部だな」
「違うか」
「その通りだ」
 ここでも封真の顔と声は真面目なものだった。
「それに人間を滅ぼすと巻き添えを受けてだ」
「他の生きものの命も奪われるな」
「必然的にそうなる、それから時間をかけてな」
「世界は回復するな」
「そして救わる、それがだ」
「地の龍の考えだな」
「しかしだ」
 それでもというのだった。
「考えれば人間も所詮地表だけどうかしているだけでだ」
「地球全体はだな」
「どうにも出来ない、そんな力はだ」
「人間にはないな」
「そんな人間を滅ぼしてもだ」
「意味はないな」
「そうじゃないかとな」
 その様にというのだ。 
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