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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室39 やり直しの時間

翌日、E組全員で保育施設、わかばパークに。
 
保育士「みんなー!園長先生はお怪我しちゃってしばらくお仕事出来ないの」
 
子供「えーっ!」
 
子供「園長先生かわいそ〜」
 
保育士「代わりにね、このお兄ちゃんお姉ちゃん達が何でもしてくれるって!」
 
子供「はーい!」


狭間「全く...何で私ら無関係の生徒まで連帯責任かねぇ」
 
寺坂「面目ねぇ…」
 
狭間「すっごい噛みつかれてるよ」

寺坂は数人の子供達に噛みつかれている...

原「私達ももっちりとビンタされたよ。全員平等に扱わないと不公平だからって」

出久「ああ...あれか...」

岡島「ごめんよ…」
 
有希子「気にしないで。あの時に止めなかったし、他人に怪我とか予測出来なかった私達も悪いから」
 
狭間「そーね。私にも監督責任あるかもね。こいつら面白サーカス団の調教師として」
 
吉田、村松「あぁ!?」


竹林「ま、勉強なんて家でこっそりやればいい。E組クラスの秘密を守るための二週間労働か。賞金に対する必要経費コストと思えば安いものさ」
 
竹林がいい事を言ったのだが...
 
前原「パンツ一丁じゃなきゃいい事言ってくれてるんだが...」
 
ひなた「中々やんちゃな子が多いみたいだね...」

子供達にズボンを下ろされていた...

出久「あらら...元気すぎるね...」

すると周りよりも少し大きい桜色の髪をした女の子がE組に近づいてきた。

「で?何やってくれるわけおたくら。大挙して押しかけてくれちゃって...減った酸素分の仕事くらいは出来るんでしょうね...?」
 
一同(中々とんがった子もいらっしゃる!!)
 
男の子A「やべぇ...!さくら姐さんがご機嫌斜めだ...!」
 
男の子B「ああ...」
 
男の子A「殺されるぞ、この兄さん達」
 
男の子B「入所5年の最年長者...」
 
男の子A「学校の支配を拒み続ける事実に2年...」
 
男の子A・B「エリートニートのさくら姐さんに...!」
 
吉田「お前ら急にスイッチ入ったな!」
 
村松「カッコ良く言ってるけど不登校だろ要するに!」
 
とんがった女の子、さくらは近くのほうきを手に取った。
 
さくら「まずは働く根性あんのかどうか...試してやろーじゃないの!」
 
さくらは渚に攻撃しようとしたが、ズボッ!っと床が抜けてしまった。
 
男の子A「あーあ。そこの床痛んでるって言ってたのに」
 
男の子B「悲しきかな。暴力では真の勝利は掴めない」
 
吉田「お前らのキャラの方が掴めねーぞ」


出久「修繕はしないんですか?失礼ですが、この建物、老朽化がかなり...」
 
保育士「お金が無いのよ。うちの園長、待機児童や不登校児がいれば片っ端から格安で預かってるから。職員すら満足に雇えず本人が一番働いてるわ」
 
一同「っ!」
 
松方に怪我を負わせた時、彼は多くの荷物を自転車に乗せていたのを思い出した...

つまり、大きな戦力を潰してしまったというわけである...


出久「なら僕らはそれ以上の何かを残した方が...」
 
轟「30人で2週間。なんか色々出来んじゃねえか?」
 
原「できるできる!」
 
磯貝「よし皆!手分けしてあの人の代役を務めよう!まずは作戦会議だ」
 
E組「おーう!」

-----

カエデ、愛美、カルマ、寺坂は劇をして子供達を喜ばせている。
女子達は外では子供達と遊んでいる。

渚、莉桜、竹林などは勉強を教えており、残った男子組は木材などを運んでいる。つまり力仕事だ。

出久(あのさくらちゃんっ子は渚君に見てもらっているのか...なんか申し訳なさそうな顔をしてる...?)

轟「設計図とかは千葉がやってんのか。後どのぐらい運べばいい」

千葉「後少しだな。緑谷が丸太を一人で2.3本一気に運んでくれてるから割と作業が進んでいる」

出久「そっか。じゃあ頑張らないとね」

目的のものを完成させるために、仕事班はペースを上げて取り組んでいく...



一方渚の方では...

さくらは勉強が遅れていて、どう教えようか考えていた。

さくら「渚はーやーくー!!あたしを東大に連れてってくれんじゃなかったの?」
 
渚「ご、ごめん!」
 
痺れを切らしたさくらが机を叩きながら渚にキレ気味に言う。
 
渚「ね、ねぇ。さくらちゃんはどうして学校に行かなくなっちゃったの?」
 
さくら「あ?...イジメだよイジメ!典型的な程度の低いやつ!...あの子ら位の歳のころなら無邪気なのに...何で人間ってちょっと成長して力つけたら他人傷つけんのに使うんだろーね」
 
渚(耳が痛い...)
 
さくら「どーせあんたも思ってんでしょ?逃げるなって」
 
渚「え?」
 
さくら「悔しかったら自分も学校に行って力つけろ、ってあんたもパパやママみたいに言うんでしょ。ま、あんた私よりひ弱そうだからわかんないか」

渚「ううっ...」

女の子「おーい!猫ちゃん!」
 
渚「?」


外から声が。

どうやら猫が木に登って降りられなくなってしまったようだ。


吉田「ベタな騒動起こしやがって」

出久「じゃあ僕が...」
 
木村「いいよ、緑谷はその木材を運んでくれ。岡島、棒倒しのアレな」
 
岡島「オッケー!今度は下の安全見とかねーと!」

さくら「勇気を出したらあのザマ。高い場所に行けば行くほど危険になる...安全安心な地べたにいて何が悪いの?」
 
渚「...さくらちゃん、あそこにいるお兄ちゃん達をよく見ててごらん」


体育祭の時の磯貝とイトナのように、木村が助走をつけ、岡島を踏み台にして木の上へと飛び乗った。

その光景に子供達は驚いていた...もちろんさくらも。そのまま猫の元へと伝って捕まえた。


渚「あの木が学校だとして地べたが学校外だとするならばお兄ちゃん達は皆、地べたの上で力をつけたんだ。木の上の人を見上げながら、見下ろされながらも高い所の怖さをいっぱい学んでから登り始めた。だからこそ高い所も自在に動ける...まぁ、たまに高い所の怖さを忘れちゃって地べたに落ちちゃうこともあるんだけどね」
 
渚は自嘲気味に笑い、さくらの前に立って手を握り頭を撫でる。
 
渚「ここで学ぼう。学校に行くのは作戦を立ててからでいい。ここだけの秘密の勉強を教えてあげるから、地べたで満足しないで少しでも高い所に登れる努力をしてみよう」
 
さくら「う、うん」


メグ「あれ無自覚よね...」

ひなた「小学生にか...」

岡島「うーむ、まさか緑谷と同じ才能を持っているとは...!」

前原「恐ろしいものですなぁ」


出久「...僕と同じって...」

轟「今まで聞いたことを考えたら確かに同じだぞ」

出久「ふぁ!?」

優月「うんうん」

陽菜乃「無自覚ならイズ君の方が凄いよね〜」


出久「えぇ...!?」



そして遂に2週間後...

殺せんせー「さて、私の生徒は良い働きをしましたかねぇ」
 
松方「フン。何十人いようが烏合の衆だ。ガキの重みで木造平屋が潰れて無ければ上出来だが......んんっ!?
 
 
なんということでしょぉぉぉぉぉ!?」
 
そこあったのは今までの小さな木造平屋ではなく、大きな多目的施設だった...


殺せんせー『E組の裏山から間伐した木と廃材を集めて作られた家...窮屈で貧弱だった保育施設が広くて頑丈な多目的施設に!』

殺せんせーのナレーションで説明が始まる。
 
松方「なんと、たった二週間で...!?」
 
殺せんせー『コンピュータの計算で強度も完璧。崩れそうな母屋ごと新しい柱で補強しました』
 
保育士「まるで鳶職人みたいでしたよこの子達。休まず機敏に飛び回って...」
 
殺せんせー『二階の部屋は二部屋に分かれ、ひとつは図書館。子供たちが勉強や読書に集中できます』
 
松方「だだっ広いな...」
 
千葉「時間と資材が限られてたんで単純な構造に」
 
矢田「近所を回って読まなくなった子供向けの本もらったの」
 
倉橋「私のも〜!」
 
 
殺せんせー『そしてもう一室は室内遊技場。ネットやマットを入念に敷き、安全性を確保。雨に濡れない室内なので...腐食や錆びで遊具が脆くなりません』
 
松方さん(こやつら...!)
 
吉田「あの回転遊具、覚えといてな」
 
磯貝「さ、次は職員室兼ガレージへ」
 
松方「ガレージ?」
 
 
殺せんせー『なんということでしょう。倒れて前輪が曲がってしまった園長の自転車を技術班が改造。安全性が高く、大積載量の電動アシスト付き三輪自転車に!』
 
律「上の部屋の回転遊具が充電器と繋がっています。走行分の大半は遊具をこげば賄える計算です」
 
殺せんせー『つまり、沢山の子供たちが沢山遊ぶほど、園長先生が助かる仕組み』
 
松方「う、上手く出来すぎとる!お前ら手際が良すぎて逆にちょっと気持ち悪い!」
 
出久(...ほ、褒め言葉としておこうかな...?)
 
殺せんせー『園長先生の思い出のこもった古い入れ歯は自転車のベル再利用!』
 
松方「そんな匠の気遣いいらんし!」
 
出久(ま、まあそれはねぇ...)
 

松方「第一、ここで最も重要な労働は建築じゃない。子供たちと心と心を通わせる事だ。

いくらモノを充実させても、お前たちが子供達の心に寄り添えていなかったのなら...

この2週間を働いたとは認めんぞ」

出久「...それなら大丈夫かと」

松方「なに...?」

するとランドセルを背負って帰ってきたさくらが答案用紙を渚に見せた。

さくら「おーい渚!!じゃーん!なんとクラス2番!」
 
算数のテストで95点を取れたのだ。
 
渚「おーすごい!頑張ったね!」
 
さくら「お前の言う通りやったよ!算数の時間だけ不意打ちで出席して、解き終わったら速攻で帰った!」
 
渚「いじめっ子もテストの最中じゃ手の出しようがなかったでしょ」
 
さくら「うん。先生以外誰にも行く事言ってなかったしね!」
 
渚「自分の一番得意な一撃を、相手の体勢が整う前に叩き込む。これが僕らの戦い方だよさくらちゃん。今回は算数だけしか教えられなかったけど、こんな風に一撃離脱を繰り返しながら、学校で戦える武器を増やしていこう」
 
さくら「だ、だったら...これからもたまには教えろよな…」
 
渚「もちろん!」

さくらは渚の答えに笑顔になった。
 
前原「怖い男だ」
 
片岡「本人も無自覚でやってるのが恐ろしい…」
 
岡島「クラスの男子に無自覚が二人もいたとは...」

出久「もうやめてよ...」

渚「男......か...」ボソッ

さくら「渚?」

渚「ううん、なんでもないよ?」
 
松方「クソガキ共...文句のひとつも出てこんわ」
 
さくら「あ!園長おかえり!見てよコレ!」
 
松方「もとよりお前らの秘密なんぞ興味は無い。ワシの頭は自分の仕事で一杯だからな。お前らもさっさと学校に戻らんか。大事な仕事があるんだろ?」
 
一同「はい!」
 
こうして二週間の特別授業は無事に幕を下ろした...が、終わったのは中間テストの前日...


2週間も授業を受けずにテストに臨むということは。この学校では裸でバトルをするに等しいのである。


結果は見事な惨敗。
 
E組の大半はトップ圏内から弾き出された...


渚、岡島、杉野「はぁ...」
 
潮田渚
総合 56位
(31→56)
 
岡島大河
総合 78位
(50→78)
 
杉野友人
総合 67位
(41→67)

下校中に五英傑が話しかけてきた。
 
荒木「拍子抜けだったなぁ...やっぱり前回のはまぐれだったようだね〜」
 
瀬尾「棒倒しで潰すまでも無かったな!」
 
浅野学秀
合計点数493点
総合 1位

小山夏彦
総合7位

荒木鉄平
総合5位

榊原蓮
総合4位

瀬尾智也
総合6位

3人は言い返したかったが、負けたのは事実なため何も言えない。

小山「言葉も出ないねぇ。まぁ当然か」
 
榊原「この学校では成績が全て。下の者は上に対して発言権は無いからね」
 
榊原がそう言うと、
 

カルマ「へーえ...じゃ、アンタらは俺らに何も言えないわけね...」
 
殺せんせー(E組の中に2人だけ、2週間のハンデなどとのともしない生徒がいる)

カルマ「まーどうせうちの担任は、1位じゃないからダメですねぇ、とかぬかすだろうけど...」

出久「僕の場合も...」

カルマ「順位が下がったのでダメですねぇ、とかじゃない?」

出久「多分そうかも...」

赤羽業
合計点数492点
総合 2位
(14→2)

緑谷出久
合計点数491点
総合3位
(1→3)

カルマ「...気付いてないの?今回本気でやったの、俺と緑谷だけだよ。他の皆はお前らのために手加減してた。お前らも毎回敗けてちゃ立場が無いだろうからって」
 
瀬尾「な、なに...!」

カルマ「まあ緑谷にはこの一年間負けっぱなしか」

浅野以外「...っ!!」
 
カルマ「でも次はE組みんなも容赦しない。三学期になれば、内部進学のお前らと高校受験の俺らじゃ授業が変わる。同じ条件のテストを受けるのは次が最後なんだ...
 
 
2ヶ月後の二学期期末...そこで全ての決着つけようよ」
 
 
浅野「......上等だ」 
 
渚(...カルマ君、僕らの事フォローしてくれたんだ)
 
殺せんせー(敗北を経験したからこそ出てくる、敗者を気遣う言葉。カルマ君は一足先に、弱者に寄り添う事を覚えた。失敗も挫折も成長の源。今回の事は、また皆を強くする...)

-----

後日、E組職員室に生徒全員が集まった。

磯貝「迷惑かけてすいませんでした。烏間先生」
 
烏間「これも仕事だ。気にしなくていい。...君らはどうだ?今回の事は暗殺にも勉強にも大きなロスになったと思うが、そこから何か学べたか?」
 
渚「...強くなるのは自分のためだと思ってました。

殺す力を身に付けるのは名誉とお金のため。

学力を身に付けるのは成績のため。

でも...身につけたその力は、他人のためにも使えるんだって思い出しました。


そして、守るために、助けるために力を使っている仲間がすぐそばにいたのを、いつの間にか忘れていたようです...」

出久(...なんで僕を見るの...?)

轟「...ふっ」

渚「殺す力を身につければ、地球を救える。学力を身につければ、誰かを助けられる…」
 
岡島「もう下手な使い方しないっス。多分」
 
前原「気をつけるよ...色々」
 
全員が力の使い方を改め、失敗をして成長を遂げた。その意志は烏間に伝わった。

烏間「...考えはよくわかった。だが今の君らでは高度訓練は再開できんな」
 
岡島「えっ...!?」
 
烏間「何せこの有様だ」
 
烏間が取りだしたジャージは、とてもボロボロの状態である。
 
岡島「股が破れたジャージ...俺のだ」
 
 
烏間「ハードになる訓練と暗殺に...もはや学校のジャージの強度では耐えられん。ボロボロになれば親御さんにも怪しまれるし、第一君らの安全を守れない。防衛省国からのプレゼントだ。今日を境に君たちは、心も体もまたひとつ強くなる」
 
新たに支給されたE組専用ジャージ...まるで軍隊の服装を簡易版にしたような感じである。
 
烏間「先に言っておくぞ。それより強い体育着は地球上に存在しない...そして緑谷君と轟君は少し違う。

轟君の場合は炎を出しても全く燃えないように、そして空気を出す仕組みを入れて、体温調整もできるようにしている」

轟「...!」

烏間「緑谷君の場合はこれだ」

出久には、小さな金属が渡された。

出久「これは...?」

烏間「それを手の甲に乗せてスイッチを押すんだ」

出久は言われたままにそうすると、その金属が伸びて腕に巻き付いていく。

烏間「Iアイランドからの技術を借りて、作らせたガントレットだ。それなら君の腕を守ることができる。今出せる出力以上のパワーでもだ」

出久「あのIアイランドから!?!?......良いんですか、僕らだけ特別みたいな...」


磯貝「良いんじゃないか?」

出久「磯貝君...」

磯貝「個性はあって羨ましいって思ってた...けど個性もその人が持つ刃だ...自分を傷つける危険性があるって、今までのことを思い出して分かったんだ。自分を守るための装備があっても俺らは当然だと思う」

莉桜「それに出久の場合は酷い怪我を何度もしてるんだから、逆にそれがないと私らが不安なんだわ」

出久「うぐっ...」

暗殺の幅が広がっていく...


 
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