夢幻水滸伝
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第三百二十話 州の南から北へその十四
「食文化もな」
「多彩になり」
「そして互いに影響し合い」
「よいものになっていったのですね」
「左様ですね」
「ハンバーガーかてな」
そのハンバーガーを見ながら話した。
「出てきて色々な種類のものがな」
「生まれてですね」
「こうして食べられる様になったのですね」
「起きた世界でも」
「そうなったんや、あと和食や中華料理もあるし」
アメリカの中にはというのだ。
「パスタもピザもあるな」
「何でもありますね」
「こちらの世界でも」
「我々も楽しんでいます」
「アメリカ料理は決して侮れんわ」
トウェインは起きた世界の話をこの世界でもした。
「はっきり言うて美味いわ」
「左様ですね」
「こちらの世界でもわかりますね」
「そのことが」
「しかもそれぞれの地域で違いもある」
そうもなっているというのだ。
「そやからな」
「存分に楽しめますね」
「その食文化を」
「左様ですね」
「そや、アメリカを舐めたらあかんわ」
食文化でもとだ、トウェインは笑ってカルフォルニア産の赤ワインをぐい、と一口飲んでからまた言った。
「食べたらこれがな」
「美味しい」
「しかも飽きないですね」
「そうしたものですね」
「そうや、食材も豊富やしな」
ハンバーガーを食べた、その中のパイナップルも味わってまた言った。
「満足出来るわ、ただな」
「ただ?」
「どうされましたか」
「いや、このパイナップルやけどな」
ハンバーガーの中にあったそれについて言うのだった。
「これアメリカ産かいな」
「ハワイですね」
人魚の初老の女が答えた。
「そのパイナップルは」
「そうなんか」
「フロリダ州等でもよく採れますが」
「このパイナップルはか」
「ハワイ州のものです」
「あそこか」
「今ハワイ州は星の方がおられないそうです」
女はこのことも話した。
「ご出身の方はおられても」
「確かリディアちゃんやったか」
ハワイ州の星の者と聞いてだ、トウェインはすぐに彼女を思い出した。
「ハワイに出んでな」
「地下世界に出られたそうで」
「あそこで頑張ってるんやな」
「その様です」
「それでか」
トウェインはその話を聞いてからあらためて言った。
「あの州では治める星のモンがおらんで」
「困っているそうです」
「ハワイは要地やけどな」
トウェインは鋭い目になってこのことを指摘した。
「太平洋のな」
「左様ですね」
「貿易、そして軍事でもな」
「極めて重要な州ですね」
「北太平洋の真ん中にあるからな」
だからだというのだ。
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