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夢幻水滸伝

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第三百二十話 州の南から北へその三

「不満なんてな」
「ある筈もないと」
「そや、それでや」
 トウェインは市長にさらに言った。
「今もこうして美味いもん食べてるし」
「暮らしのことはですね」
「心配することないで」
「それは何よりです」 
 市長はトウェインの話をここまで聞いてそれならと頷いた。
 そのうえでだ、彼にあらためて言った。
「それで政のお話ですが」
「ああ、今の状況やな」
「我々の勢力は今サンフランシスコまでです」
「勢力が及ぼうとしてるな」
「多くの街や村が降り」
「そしてな」
「あの街にもです」
「オークランドも降ったしな」
「そのうえで」
「ただあの街はやな」
 そのサンフランシスコのことをだ、トウエインも言った。
「使者を何度か送ってるけどな」
「降ろうとしません」
「あの街を掌握したら」
 トウェインはその目を鋭くさせて言葉を返した。
「そうしたらな」
「カルフォルニア州統一も近いですね」
「サクラメントが様子見してるからな」
「サンフランシスコが降りますと」
「ああ、あの街もな」 
 サクラメントもというのだ。
「降るわ」
「左様ですね」
「そしてそこからはな」
 サンフランシスコそれにサクラメントが降ればというのだ。
「後はや」
「カルフォルニア州の北を一気にです」
「掌握出来るわ」
「そうなりますね」
「州の統一も成る、しかし」
 それでもというのだった。
「ほんま問題はな」
「サンフランシスコをどう降すかですね」
「軍を送るか」
 トウェインはまた目を鋭くさせて自分の考えを述べた。
「そうするか」
「軍で攻め落としますか」
「そうしよか」
「では今から」
「二万の軍を用意してや」
 軍の規模の話もした。
「そしてや」
「その二万の軍で、ですね」
「わいが率いてな」 
「攻め落としますか」
「そうしよか、ロサンゼルスから鉄道と車も使ってな」
「サンフランシスコまでですね」
「二万の軍とその武器や物資を送ってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「攻めますか」
「そうしよか」
「ではこれより」
「ああ、軍を集めるで」
 二万のそれをというのだ。
「今からな」
「そうされますか」
「二万、すぐに準備するな」
「二万でしたら」 
 それだけの軍はとだ、市長はトウェインに話した。 
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