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夢幻水滸伝

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第三百十九話 ロサンゼルスからはじまるその十

「ルルフォの方に使者を送ってな」
「条約を結ぶお話をして」
「そうして実際にですね」
「後顧の憂いを断ちますね」
「そうしよか」
 こう言うのだった。
「今のうちに」
「わかりました、ではです」
「早速使者を送りましょう」
 官吏達も応えた。
「そして後顧の憂いを断ち」
「存分に動きますね」
「そうしますね」
「外交も大事や」
 トウェインは今このことをしみじみと思っていた、その思ったことを言葉にも出した。
「今ほんま思ったわ」
「はい、そうです」
「外交は大事です」
「まことに」
「勢力にとって」
「そやな、それでな」 
 あらためて言うのだった。
「ここはな」
「はい、ルルフォ様とですね」
「お話をされて」
「中立条約を結ばれますね」
「そうしてくわ」 
 こう言ってそうしてだった。
 トウェインは実際にメキシコに使者を送りルルフォに会談を申し出た、するとルルフォも是非にと答えてきてだった。
 それでだ、二人は会うことになったが。
「自分から来るとはな」
「思わんかったか」
「僕の方から行くつもりやった」
 ルルフォは自分の拠点であるメキシコシチーに来たトウェインを招き街にあるレストランアステカの神々の神殿を模した外観のその中で話した。
「そうしてや」
「話をするつもりやったか」
「気が早いっていうかな」
 ルルフォは自分と向かい合って座っている彼に言った。
「動くな」
「待つ時は待つけれどな」
 トウェインは笑って答えた。
「動く時と見たらな」
「動くな」
「それがわいやからな」
「それでわざわざ来たか」
「留守は周りに任せてる、それでサンダーバードに乗ってや」
 自身の神具であるこの神鳥にというのだ。
「それでや」
「文字通り飛んで来たな」
「超音速でな」
「それであっという間に来たな」
「ああ、それでやな」
「条約の話やな、僕は是非にや」 
 トウェインにだ、ルルフォは笑って答えた。
「自分と中立条約を結びたい
「そうなんか」
「こっちも事情があってな」
「わいと揉めてられんか」
「もっと言えばアメリカの星の者とはな」
「中南米の方でどうにかしたいんやな」
「そや」
 まさにというのだ。
「そやからな」
「わいと中立条約を結んでか」
「アメリカの他の星の者ともな」
「そうしてそっちの後顧の憂いを断ってか」
「こっちのことをやっていきたい」
「お互い事情があるってことやな」
「そや、自分もやな」
 トウェインをじっと見て問うた。 
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