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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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4-6

 世間のお盆休みから少しずれて、会社が2日間の盆休みになると言う前の夕方に、中庭でバーベキューをすることになっていた。

 ばっちゃんは、私に桔梗の絵柄の浴衣を用意していたのだ。それで、泉希と利勝君も呼んでいた。泉希も花火の絵柄の浴衣で・・・あの子 少しお化粧もしてきたみたいで、眼元もいつもよりくっきりとして髪の毛も束ねて上に持ってきていて、背も高いので大人びて見える。

 会社を退職して数年になるという及川さんって人も来ていて

「これは これは・・ いとはんが居てるみたいで・・・よー似たはりまんなぁー」と、じっちゃんに話掛けていた。

「そーでんねん そやけど いとはんのほうが色も白くて・・」と、山本さんが言いかけてるとも及川さんが止めるように合図していた。

「なんやのー 山本さん! まわぁまんまーのほうが色も白くて美人やったって言いたいんやろー?」

「いや そのー はっきり言うとこ よー似たはります いとはんには よー怒られたんですわー 君はバカなのかって」

「みゅんみゅんは そんなこと思わへんでー 泳ぎかたもちゃんと教えてくれたしー」

「やっぱり そーやったんか 急に すいすい泳ぐよーになったから」と、利勝は納得していた。

「及川さん 絢は大学の時からワシの手元を離れて行ったんだけど こんな可愛い宝物を預けてくれたんじゃ 絢とは違ってのー あの子はおとなしい目立たない子だったけど この子は活発でのー たまに、いたずらもしてくるんじゃー 夜でも お化けだぞーって ワシの布団に潜り込んできたりしてな おそらく、独りで寝ているから寂しいんじゃと思うけど それが可愛くてなぁー」と、自慢なのかわからないけど

「じっちやん! そんなことを 友達の前じゃー 嫌!」

 そして、いつの間にか泉希ちゃんはヨッさんの隣りで話し込んでいた。利勝君も居るんだけど・・・。私は、気を使って利勝君に話し掛けるようにしていたのだけど。

 そろそろ小学生はもうおしまいにしようかとなった時、私は利勝君に

「泉希を送ってってよー」と、言ったら、ヨッさんが

「ええすっよー 俺が家まで送り届けます」と

「ヨッさん お酒飲んでるじゃぁない!」

「少しだけ でも 酔っぱらって無いし ゆっくり歩くだけだし」

「ウチ ヨッさんに送ってもらう」と、泉希が言い出したものだから、私も仕方なく

「ヨッさん わかってるでしょうネ! みゅうみゅんの親友なんだからね 今日の泉希は大人っぽいからって 変なことしないでよネ!」

「なに 言ってるんですかぁー 俺だって 子供相手に・・・ みゅうみゅんの親友だから、万が一 と思って送って行くんでっせー それが何かぁー」

「うっ うん お願いします」

 結局、利勝君をしり目に泉希はヨッさんに送ってもらうことになった。それから、しばらくして、まだ、大人達は飲んでいたのだが、ヨッさんが戻って来て

「あらっ ヨッさん 戻ってきたの?」

「ええ みゆうみゅんに 無事送り届けてきたって 報告しゃぁならんから」

「そんなこと・・・ ええのにぃー ・・・ ヨッさん 真面目なんだね」

「いや みゅうみゅんの親友だからって 俺も 必死なんですよ」

「何に 必死なん?」

「いや べつに・・・」

「・・・ ヨッさん 女の子に もてるでしょ?」

「ぜんぜ~ん まぁ 知り合う 機会も無いですからー」

「そう ・・・ まぁ ありがとうネ 泉希のこと」

「ええ みゅうみゅんの親友が素直な可愛い子で良かったです いいお友達ですネ お互い 大切に思っててー 彼女と話していると楽しいです」

「・・・」 まさかね と 私は心の中で打ち消していた。だけど、泉希も心の中では激しく燃えるほうだからなぁー
 
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