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オズのカリフ王

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第十幕その六

「ですから」
「何度もであるな」
「読まれることです」
「それがよいな」
「そして百度読めば」
 本をというのです。
「もうかなりです」
「理解出来ておるか」
「そうなっています」
「読書百篇じゃな」
「その通りです」 
 まさにというのです。
「ですから」
「それでじゃな」
「どんどん読まれて下さい」
「聖書もじゃな」
「そして他の本もです」
「一度よりもな」
「二度三度とです」
 そしてというのです。
「百回も読みますと」
「いいな」
「はい、ですから」
「聖書も読んで」
「他の本もです」
「ではそうするか」
「是非共」
 天使さんは笑顔で応えました。
「そうして下さい」
「ではな、しかし聖書はファンタジーとしてもな」
 それでもというのです。
「面白いのう」
「そういえばそうであるな」 
 ドワーフ王も同意しました。
「あの書は」
「こう言うと真面目なキリスト教徒の者は怒るであろうが」
「それでもな」
「読んでも面白い」
「多くのことを学べるだけでなくな」
「物語も登場する人達もな」
「実に面白い」
 そうだというのです。
「これからどうなるか」
「気になるのう」
「ギリシア神話や北欧神話もそうであるがな」
「左様、神話も読んで面白い」
「面白いから余計に読みたくなる」
「そうであるな」
「その好奇心は大事ですね」 
 天使さんはノーム王とドワーフ王に微笑んで応えました。
「確かに聖書を物語として面白いと言うことは」
「真面目なキリスト教徒としてはな」
「憚れるものがありますが」
「それでもじゃな」
「はい、面白いことはです」
 このこと自体はというのです。
「それで読んで頂くことになるので」
「よいか」
「そうでもあります」
「そうなのじゃな」
「はい、ではノーム王もですね」
「これからもな」
 ノーム王は笑顔で応えました。
「聖書も読むぞ」
「そうされますね」
「楽しませてもらう」
 笑顔での返事でした。
「わしもな」
「キリストがいなければ」
 ドワーフ王もしみじみとして言いました。
「オズの国も多少違っていたのう」
「オズの国はキリスト教だけじゃないけれど」
 トロットが応えました。 
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