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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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第3章
  3-1

 学校が始まって、3.4時限目は体育で、泉希ちゃんが言っていたようにソフトボールの授業だった。クラスの女の子は2チームに別れるんだけど、ウチのチームは泉希ちゅんがリーダーシップを取っていて、泉希ちゃんは1番ピッチャー、そして、私には2番ショートと一方的に決めていた。

 最初の守備の時、いきなり私のところに飛んできて、捕球は難なく出来たんだけど、ボールがいつもより大きくて、山なりの送球に・・・うまく、握れなかったのだ。でも、とりあえずアウトに出来た。

 攻撃になると泉希は3塁横のゴロでも1塁セーフになっていて、私の番。1球目は見逃して、そして、2球目に思いっきり振っていったのだけど、ボテボテの3塁前のゴロ。だけど、私の方がベースを踏むのが速かったのだ。すぐさま、私は盗塁したのだけど、その後はみんなボテボテのゴロばっかりで、泉希ちゃんがホームに帰ってくるのがやっとだった。

 そんなふうで、ようやく私も大きいボールに慣れた頃、授業は3回の表裏で終了だったのだけど、我がチームは1-3で負けていた。そして、私の打席。2塁には泉希ちゃんが立って居た。初球 思いっきり振りぬいた打球はレフトとセンターの間を超えて行って・・・向こう側でやっている男の子達のほうに飛んで行ったのだ。その男の子がボールを掴まえた時、私は2塁をまわっていて、そのままホームを踏んでいた。

 終わって、手洗い場で泉希ちゃんとすみれちゃんと並んで手足を洗っていたら

「たまたま振ったらボールが当たってくれて良かったなぁー やっぱり 半分男か」石川欣悟だ。すると、泉希ちゃんが

「ちょっとぉー ちゃんと振り切ったから飛んでったんじゃぁない! 見てへんのに ええ加減なこと言うな!」

「あぁ へっ もう いいだろー 早くしろよー この ぶぅぶぅー」

「ちょっとー あんた! 今 何てぇー もう 一回 ゆうてみー だれが ぶぅ なんやー」と、私は、背伸びをして顔を突き合わせていったのだが・・・泉希ちゃんは慌てて、私のシャツの裾を掴まえていた。

「うっ うー 水島のこと じゃぁないよー」

「不忍先生も言ってたろー?  好ましくない呼び方はすんな! って 謝れ! 石川君は女の子に優しかったら いい男なんだから もてるんだけどなぁー みんな 仲良くしなきゃー」

「・・・ ごめんなさい 気をつけます」と、頭を下げさせていた。そして、洗い場を彼に譲って教室に戻ろうとしていたら、明弘が

「わぁー 怖かったぁー みゅうみゅんって 危険なんだなぁー」

「そーなんよー ウチも 飛び掛かって行くんちゃうかーって 焦ったわー」

「ふふっ 泉希が引っ張ってなかったら ネ でも、友達のことあんなふうに言うのって 許せない! 誰かさんも 言ってたっけなぁー」

「悪かったよー 心 入れ換えたんだからー」

「よーし 明弘はいい男だよ 男らしいしー」

「みゃうみゅん そう 思うんだっら・・ 俺に ・・・ そのー もう少し・・」

「なんだよー もう 少し? あほっ!かぁー でも、すみれちゃんは 少し やせたんだよねー みゅうみゅんといつも 一緒に鉄棒してるしー」

「ウン お母さんも 最近 ぶよぶよがなくなってきたネって」と、すみれちゃんは可愛い笑顔だった。

「それにしても びっくりしたなぁー 反対側からボールが飛んできて、みんなで 誰かが打ったんか? とか言ってたら みゅうみゅんが3塁まわってホームに走ってるんだものなぁー すごいよー みゅうみゅんだっら 男の中でもやっていけるよー」

「うふっ たまたまだよー 石川君が言ったように 振ったら 飛んで行ったんだよー」

「この前は 走ったら たまたまトップになって 今度はたまたま当たったってかぁー ・・・ とにかく すごい 男にも あんまり人気者になると やりにくいなぁー」

「なんで やりにくいネン?」

「いや そのー・・・」

「なんやネン そのはっきりせんとこ 明弘はイマイチなんじゃ あっ はよ 着替えなきゃー 男の子達が入って来るぅー もう 泉希もすみれも行ってしもーたやんかぁー」

「ええやん 俺 みゅうみゅんと一緒でも」

 私は、明弘の頭に本当にゴツンと喰らわせて教室に走って行ったのだ。
 
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