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オズのカリフ王

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第五幕その八

「地下のな」
「果樹園もあるぞ」
 ドワーフ王も言ってきました。
「そこから野菜や果物だけでなくな」
「金や銀も作っておるしな」
「ノームの畑の金や銀や最高じゃ」
「宝石もじゃな」
「鉄や銅もな」
 こうノーム王に言うのでした。
「わし等も畑でそうしたものを作っておるが」
「作るのはわし等じゃな」
「そして細工はわし等じゃ」
「お互い得意分野があるのう」
「全くだ」
「そんな凄いことが出来るならね」
 ビリーナも言ってきました。
「別にね」
「侵略してな」
「支配する必要もないわね」
「それにじゃ」 
 ビリーナにさらに言いました。
「考えてみればこうした生活でな」
「満足しているわね」
「得意分野も活かせてな」
「出来ないなら努力すればいいし」
「出来る様にな」
「それならね」
「もうな」
 それこそというのです。
「誰かを、何かを羨んで妬んで」
「憎んでね」
「そうなる必要はな」
「ないわね」
「一切な」
 まさにというのです。
「そのことがわかったのじゃ」
「それであんた達も今ではオズの国の人達になって」
「それでじゃ」 
「幸せに暮らしているのね」
「そうなっておる」
 ビリーナに笑顔で答えました。
「毎日が楽しくて仕方ない」
「それは何よりね」
「わし等もそう思っておる」
「そういうことね」
「だから今もな」
「一日の移り変わりをなのね」
「空の旅と共にな」
 併せてというのです。
「満喫しておる」
「それは何よりね」
「実にいい、しかもお前さんともじゃ」
 ビリーナ本人にも言うのでした。
「また言うが卵も怖くなくなってな」
「食べられる様になって」
「それでじゃ」
 そうなってというのです。
「このこともな」
「いいのね」
「実にな、また卵料理を食したいのう」
「それならね」
 トロットはノーム王の今のお話を受けて言いました。
「今日のお昼は卵焼きがいいかしら」
「日本の卵料理じゃな」
「それとお握りにお味噌汁かしらね」
「おお、お握りか」
 キャプテンはお握りと聞いて笑顔になりました。
「実はわしもそろそろ」
「お握り食べたいと思っていたのね」
「そうだったんだよ」
 こうトロットにお話します。
「実は」
「それなら都合がいいわね」
 トロットも笑顔で応えました。 
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