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博士の挑戦状

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第七十四話

                  第七十四話  毒霧には
 カーミラは今度は毒霧を出した、それで以て博士に攻撃を仕掛けた。小田切君はそれを見て言った。
「氷の次はだね」
「うん、毒だね」
「そうきたな」 
 タロとライゾウも応えた。
「今度は」
「カーミラさんも多彩だね」
「そうだね、それに対して博士はどうするか」
「それが見所だね」
「これからは」
「うん、どうするのかな」
 小田切君は言った、そしてだった。
 二匹と一緒に戦局を見るとだった、博士は。
 今度は左手の傍にある車椅子のボタンを押した、すると。
 青い霧が出た、その霧が。
 カーミラの出した紫の毒霧と触れた、その瞬間にだった。
「相殺されてるね」
「そうだね」
「お互いにね」
「博士が出した青い霧はあれだね」 
 小田切君はその様子を見て言った。
「解毒の霧だよ」
「それなんだ」
「博士の出した霧は」
「そう、それでね」
 その霧を出してというのだ。
「カーミラさんの毒霧を相殺しているんだ」 
「そうしてるんだね」
「毒は消すことか」
「出されたらね、それも触れる前に」
 その危うい毒にというのだ。
「そうすることだからね」
「流石博士だね」
「そうだな」
 タロとライゾウは小田切君の言葉に頷いて言った。
「実際毒霧消えていってるしな」
「解毒の霧に触れてね」
「毒なら消せ」
「簡単な理屈だね」
「その簡単なことを実行するとなると」
 どうかとだ、小田切君はこのことも話した。
「ちょっとね」
「難しいね」
「冷静に出来るなんてね」
「危ないからね、危機を前にしたら」 
 それこそというのだ。
「冷静な対処は難しいよ」
「それが出来るかどうか」
「難しいのはそこだよな」
「そしてそれが出来るから」
「博士は凄いな」
「そうだよ」 
 こう言うのだった、そしてだった。
 博士は小田切君達の目の前で毒霧を全て相殺してみせた、そのうえでカーミラに対して悠然と言った。
「消したぞ」
「そうね、では次はね」
「わしの番じゃ」
 こう言ってだ、攻撃にかかったのだった。


第七十四話   完


                 2023・6・25 
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